実在しない国際電話番号から在日中国人らを狙った不審な国際電話が急増中だ。中国語を使って、「振り込め詐欺」や高額な通話料金を着信した相手に請求する「国際ワン切り詐欺」とみられる。機械で大量に発信しているとみられ、日本人に対しての着信も続いていることから不安が広がっている。

 電話に出た場合、中国大使館を名乗った中国語の自動音声が聞こえるケースがある。ガイダンスに従い数字を押すと人が出るが、中国人ではないと判断されると一方的に電話を切られるという。

 先月10日、秋田市の40代女性は実在しない国番号「+885」の電話を受けた。女性は中国語が理解でき、中国大使館職員と公安局員を名乗る男女に「武漢に大量のマスクを送っただろう。犯罪だ」などと脅され、計411万円を振り込んだ。大阪府内でも同様の事件が相次ぎ被害総額は約3500万円を超えている。

 迷惑電話対策サービスを手掛ける「トビラシステムズ」によると、同社が携帯電話会社に提供している迷惑フィルターの利用者約1000万人から9月中に検知した不審な番号は約9万9500件。国内の携帯電話の契約数は約1億8000万台で、約180万回の着信があった可能性があるという。10月に入って「+1844」「+1877」など北米のフリーダイヤルを装った電話が急増。同社は「見慣れない番号の羅列が表示されたら、“出ない。折り返さない”を徹底して」と注意を促している。

スポニチ 2020年10月16日 05:30
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