草不可避

「冷や飯」危惧しハラハラ WTO事務局長選で日本政府の「読み違い」
2020/10/26 08:00 AERA
https://dot.asahi.com/aera/2020102300008.html

■敗者を待つ厳しい未来

 国際社会でも、敗者には厳しい未来が待っている。日本は選挙戦で、韓国の候補者について聞かれても肯定的な反応を示さず、すでに「日本の韓国嫌い」は公知の事実になっている。
オコンジョイウェアラ氏が勝利すれば、やれやれだが、負ければWTOで今後4年間、ポスト配分などで冷や飯を食わされるのは間違いない。

 そして、何よりまずかったのが日本外務省の読みの甘さだ。外務省は選挙戦の候補者8人が出そろった時点で、「ナイジェリア候補が勝つのは120%間違いない」と、
首相官邸や自民党に報告していた。結果的にオコンジョイウェアラ氏が勝利した場合でも、読みの甘さを指摘されても仕方がない。

 外務省は2014年にも、国際司法裁判所での調査捕鯨を巡る訴訟で敗訴した際、事前に「勝訴間違いなし」と報告していて官邸から大目玉を食らったことがある。
そんな事態の再現にならないことを願うばかりだ。(朝日新聞編集委員・牧野愛博)

※AERA 2020年10月26日号