(高雄中央社)日本統治時代に南部・高雄に建てられた別荘「逍遥園」が1日、3年余りの修復を経て一般公開された。同園について市は、魅力的な物語を有し、建築様式も独特だとして、高雄の新たな観光名所となることに期待を寄せている。

高雄市政府文化局によると、同園は1939(昭和14)年、浄土真宗本願寺派第22世宗主である大谷光瑞が、農業の発展や門徒の教育などのために建設し、翌40年に完成した。建物は和洋折衷様式が採用され、戦後は国軍の宿舎として使用された。その後は老朽化などで一度は解体の危機にさらされたが、保存を求める声が上がったたため、市は2017年に修復に乗り出した。

1日には開園式典が開かれ、李永得文化部長(文化相)や日本台湾交流協会高雄事務所の加藤英次所長らが出席した。李部長は、修復にあたって視察に訪れた際、建物が見る影もなくなっていたために、修復は困難だと思っていたというエピソードを紹介。修復によって美しさを取り戻した建物を前に、同市や日台文化人らの奔走があったからこそ「奇跡が起きた」と同園の再スタートを喜んだ。

加藤所長は、再開園を通じて双方の友好関係が深まるよう、文化面での交流強化に意欲を示した。

再開園を祝おうと、市文化局は開園当時作られた清水焼の記念皿を、大谷光瑞にまつわる文物を収蔵する大谷記念館(大分県)から借り出し、園内で展示している。

(侯文婷、洪学広/編集:荘麗玲)

中央社フォーカス台湾 2020/11/02 19:04
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202011020005.aspx

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1日に開園した逍遙園。高雄市文化局提供