現代自動車は23日、水素エコシステムの普及に向け、多国籍総合化学メーカー、イネオス・グループと覚書を交わしたと発表した。水素の生産から活用に至る統合的な水素バリューチェーンを構築し、官民双方で水素関連事業を拡大し、水素社会の早期実現を図ることが目標だ。

 英国に本社を置くイネオスは石油化学、特殊化学、石油製品生産などを主力事業とするが、最近は水素関連事業を拡大しており、現在は年30万トンの水素を生産している。両社は今回の覚書を通じ、イネオス傘下の自動車メーカー、イネオス・オートモーティブが開発しているスポーツタイプ多目的車(SUV)「グレナディア」に現代自の水素燃料電池システムを搭載し、新たな水素電気自動車を投入する計画だ。また、欧州内での水素経済普及にも取り組む。このため、双方の幹部による協議体を結成。欧州連合(EU)や欧州各国政府、民間企業と協力し、さまざまな水素関連事業の機会を模索する計画だ。イネオスは子会社イノビンを中心に水素の生産、供給、貯蔵を行い、現代自は水素燃料電池システムの供給を担う。

 現代自関係者は「今回の協力を通じ、車両用燃料電池システムの開発と量産でリーダーシップをさらに固め、燃料電池システムの技術がさらにさまざまな分野に応用される本格的な機会にしたい」と説明した。現代自グループは水素燃料電池システムの生産能力を2030年までに年70万基に拡大する計画だ。

アン・サンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2020/11/24 08:01
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