ブリンケン氏、16年の訪韓時には対北制裁やTHAAD配備への強い意志示す

  ジョー・バイデン次期米大統領が新たな国務長官に指名したトニー・ブリンケン氏(58)が4年前、ソウル市鍾路区の韓国料理店を訪れた際に書き残した「本当においしい。また戻ってくる」という直筆メッセージが最近外交関係者の間で話題になっている。当時国務副長官だったブリンケン氏は、この店で純豆腐チゲを食べた。外交筋は「ブリンケン氏が国務長官に栄転しても再びこの店を訪れるのか、楽しみだ」と話した。

 ブリンケン氏は2016年10月28日、当時のマーク・リッパート駐韓米大使の紹介で、同僚と共にこの韓国料理店を訪れ、辛い純豆腐チゲやチヂミ、大根キムチなどを食べた。同氏は食事後「素晴らしい食事に感謝する。本当においしい。また戻ってくる(Thank you for a Wonderful meal. Super delicious! I’ll be back)」と書き残した。

 店側は、食事をするブリンケン氏の写真と共に、直筆メッセージを額に入れて4年間レジの背後の壁に飾っていた。「ブリンケン氏の額」の周りには、米国の対北交渉首席代表のスティーブン・ビーガン米国務副長官、ハリー・ハリス現駐韓米大使など前職・現職の米国の当局者たちがこの店を訪れたときの写真も飾られていた。米国の外交官たちにとって行き付けの店の一つというわけだ。店の社長は1日、本紙のインタビューに対し「(ブリンケン氏が)国務長官になるというニュースを聞いて実にうれしかった」として「(ブリンケン氏の額を指さして)あそこに書いた通り、約束を守ってもう一度来てほしい」と話した。

 ブリンケン氏が純豆腐チゲ店を訪れたのは、16年9月9日に行われた北朝鮮の5回目の核実験によって韓半島情勢が緊迫していた時期だった。東京で韓米日の外務次官による協議会を終えて訪韓したブリンケン氏(当時は国務省副長官)は、当時の趙太庸(チョ・テヨン)青瓦台(韓国大統領府)国家安保室第1次長など外交・安保の要人たちと会い、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁問題について話し合った。ブリンケン氏は訪韓中、公の席でも北朝鮮の核開発について強く糾弾し、国際社会が団結して北朝鮮への制裁圧力を強める必要があると強調した。

 ブリンケン氏は当時、ソウル大学国際大学院での特別講義で、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備決定について「一番最近の、しかし最後ではない措置」とした上で「仮に北朝鮮の脅威が続くのであれば、今後それ以外の追加の措置を取る可能性がある」と述べた。同氏は「われわれは引き続き自国と同盟国を守るための防御措置を取らなければならない」とも述べた。さらに「中国は対北制裁で特別な責任を負っている」として「われわれが北朝鮮政権に対して一貫的かつ包括的な制裁を加えられれば、金正恩(キム・ジョンウン)が核・ミサイル開発と経済のどちらかを選択するよう仕向けることができる」と主張した。

 韓半島政策を含む米国の外交政策を指揮することになるブリンケン氏は今後も、対北制裁とTHAAD配備などについて、適当な妥協点を見出すのではなく、北朝鮮や中国などを相手に基本原則を守って政策を推進するとの観測が出ている。

ノ・ソクチョ記者

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2020/12/01 21:59
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