武藤正敏 2017年5月 
私には、韓国人が彼らの親たち、さらにその親たちから受け継いで築いてきた国を、いま自ら崩し、失おうとしているように見える。
韓国人に問いたい。あなたたちはどこへ向かうのか。

TOEICが800点、900点ある若者なら、世界に出てさまざまな国際感覚を身につけられるはずだ。事実、韓国人の留学熱には目を見張るものがある。
願わくは、そこで得た感覚を持って、ぜひ韓国を客観的に見つめ直してほしい。世界はけっして韓国の理屈で動いていないことを、
外に出た人なら絶対にわかっているはずだからである。

朴槿恵政権を倒した人々は笑顔だった。だが、今後韓国が失うものの大きさを考えると、私は暗澹たる気持ちになる
悪いものは悪いと言わなければならない。しかし、悪いことをした人が行ったことすべてが悪いわけではない。

大統領になれば悲惨な末路をたどる韓国で、3年後、4年後、文在寅大統領の表情はどうなっているだろうか。

ファンタジーの世界に生き、経済を知らずに非現実的な政策を約束し、外交も安全保障もリスクを考えない政権を、韓国人は選んだ。
それが民主主義の成果であるなら、その行く末を見つめ、冷静に評価するのは、有権者の責任である。

怒りに任せて政権を追い出し、怒りに任せて政権を選び、また怒りに任せてその政権を葬るのだろうか。
本当に大切なのは、怒ることと同時に、考え、最適かつ現実的な道を選ぶことである。魔法が使える政治家など、世界のどこにもいないのだ。

熱い気持ちは、もっと建設的な方向へ向けてはどうだろうか。朴槿恵政権を倒して文在寅政権を登場させたことは、
12年間韓国の空気を吸った私には、国民みんなを不幸にする方向に進めたように思えてならない。

私は「韓国人に生まれなくてよかった」と思うが、韓国に生まれた人には「韓国人に生まれてよかった」と思える韓国を作ってほしい。