韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、三・一節の記念演説で「韓国政府はいつでも日本政府と向き合って対話を交わす準備ができている」とし「易地思之(相手の立場になって考えてみる)の姿勢で額を突き合わせれば、過去の問題もいくらでも賢明に解決できるだろう」と融和のメッセージを送った。韓日関係の破局は、文大統領が就任するなり韓日慰安婦合意を破棄したことで始まった。その後4年間、まるで国が100年前に後戻りしたかのような反日追い込み、土着倭寇(わこう)追い込みが繰り広げられた。

文大統領は、2018年の三・一節には「戦時の反人倫的犯罪行為は『終わった』という言葉で覆い隠されない」と発言した。2019年には「親日残滓(ざんし)の清算は、あまりにも長く後回しにされてきた宿題」と語った。こんなことを言ってきた人物と今の文大統領は、違う人間のようだ。この政権は、韓日問題について外交的解決を語ると、すぐさま「土着倭寇」と追い立てた。青瓦台(韓国大統領府)のブレーンまで乗り出して「竹やり歌」を持ち出し、今の世の中に居もしない「親日派」攻撃まで行った。それでいて今になって「過去の問題を未来の問題と切り離せずごちゃ混ぜにすると、未来の発展に支障を招く」「過去に足を引っ張られていることはできない」と言う。過去を利用しようとして未来を阻んだ勢力は誰か。文大統領の二重性は驚くべきことでもないが、何か説明なりともあるべきではないか。

 何の対策もなしに韓日問題を国内政治用として利用するだけ全て利用した後、大統領の言葉と態度は180度変わった。大統領自ら韓日慰安婦合意について「重大な欠陥が確認された」「新たな交渉をすべき」と破棄しておいて、今年1月の新年記者会見で「(その合意が)両国政府間の公式合意だったという事実を認める」と、一夜にして180度ひっくり返ったときも、何も説明がなかった。韓米日協力を重視する米バイデン政権が発足するや、言を翻したのだ。具体的にどういうふうにしようという内容もない。国際社会では、こんな韓国をどう見るだろうか。これも外交なのか。ひたすら恥ずかしい。



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