0001右大臣・大ちゃん之弼 ★ Let it be です
2021/03/08(月) 21:10:44.32ID:CAP_USERミャンマー各地で続く国軍への抗議デモに対し、治安当局の弾圧が激しさを増す。既に50人以上が命を落とした。国連特使は千数百人が拘束されたとする。
負傷者の救助に駆けつけた民間救急隊員を警官隊が取り囲み、激しく殴打する映像が公開された。救急車への発砲もあった。
市民に犠牲が広がる状況を看過できない。強権的な封じ込めは、混乱を深めるばかりだ。国際社会は結束し、非道な行為をやめさせなくてはならない。
国軍のクーデターから1カ月余。抵抗を示すための職場放棄で行政や金融の機能はまひしており、統治能力の欠如は明らかだ。当局の強圧な姿勢は不服従の広がりにいら立つかのようだ。
国軍はデモを「暴動」と切り捨て、弾圧を正当化。ミン・アウン・フライン総司令官は「最小限の実力行使で対応している」と主張した。幹部は「われわれは制裁に慣れている」とまで述べ、孤立も辞さない姿勢を強めている。
その足元では離反の動きが出てきた。約20人の警察官が「命令に従えない」と国境を越え、インド北東部に逃れてきたという。
国連を中心に実効性のある措置で国軍の自制を促していくことが急務だが、一枚岩には程遠い。国連安保理は緊急会合で一致した対応を打ち出せなかった。中国とロシアが慎重姿勢を取っている。
貿易や武器輸出で結び付きが深く、影響力の強化をにらむ。クーデター直後も安保理の非難決議に難色を示した。常任理事国としての責任を果たしていない。
中国の国連大使は会合で、ミャンマーの主権を尊重する立場を強調した。アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が勝利した選挙結果を力で覆し、市民を殺害する国軍の行為をどこまで擁護するつもりか。
米欧は追加制裁や支援の中止に動く。一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)は非公式の臨時外相会議で、情勢への懸念と暴力抑制を訴える議長声明を出した。
内政不干渉の原則から一歩踏み込んだ対応だ。各国の姿勢に温度差はあるものの、対話の仲立ちをする案も浮上している。
日本の役割が問われる。国軍、スー・チー氏双方との関わりが深く、現地には400社超の企業が進出している。各国と連携し、国軍に弾圧の停止を積極的に働き掛けていくべきだ。
信濃毎日新聞 2021/03/08 09:03 長野県 論説 社説
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2021030800119