(台北、台中中央社)回転寿司チェーン「スシロー」の台湾法人が氏名に「鮭魚」(サケ)が付く人の食事代を無料にするキャンペーンを打ち出したの受け、改名する人が相次いでいる。中部・台中市の民政局によれば、17日正午までに15人が「鮭魚」が入った名前への変更を申請したという。この話題の盛り上がりに乗じ、南部の各県市の首長はフェイスブックで地元の海鮮の自慢合戦を展開し、来訪を呼び掛けた。

台湾スシローはサーモンフェアの実施に合わせ、17、18日の2日間、氏名に「鮭魚」(サケ)が付く人の食事代金を1テーブル無料にするキャンペーンを実施。15日に実施を発表すると大きな注目を集めた。

台中市によれば、17日午前8時ごろ、西区戸政事務所(戸籍業務を担当する役所)では女子大生から「郭鮭魚丼飯」への改名申請があった。対応した職員が改名の動機を尋ねたところ、「寿司店のキャンペーンのためで、家族は改名を知らない。後でまた元の名前に戻す」と答えたという。

台南市の黄偉哲市長は17日午前、フェイスブックで、スシローのキャンペーンのために改名する人がいることに触れ、「きっと彼らは台南人ではない。だって台南人はサバヒーこそが世界で一番美味しい魚だと知っているから」と断言。「まずは台南に食べに来て」と名産のサバヒーを紹介した。

屏東県の潘孟安県長も同日、フェイスブックに皿いっぱいの刺し身の写真を投稿し、「鮭魚に改名する必要はない。屏東では豪快な刺し身が食べられる!」とアピール。「海鮮を食べたいなら屏東においで」と呼び掛けた。

2首長に続いて高雄市の陳其邁市長は同午後、「たくさんの人から『なんで高雄はサーモンの文章を出していないのだ』とせっつかれた」とユーモアを交えて投稿。「私は陳ハタ」と自己紹介し、「身が柔らかいハタが登場すれば、どんな魚も降参する」と美味しさに太鼓判を押した。

内政部(内務省)は同日、フェイスブックで、名称変更の上限は原則的に1人3回であることを紹介。自分の名前を大切にし、戸籍事務の資源を無駄遣いしないよう求めた。

国民身分証の更新には50台湾元(約193円)の手数料がかかる。

(陳俊華、郝雪卿/編集:名切千絵)

中央社フォーカス台湾 2021/03/17 18:10
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202103170009.aspx

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台湾スシロー「サーモンさん無料」に改名者続々=Unsplashから