そういや、正解書いてなかった

「インドとアメリカの国際通話が近年増加傾向にある理由を述べよ」

これ、むしろ商社勤めとかIT系とかの社会人の方が即答でき、高校生だと東大入れるくらい賢くても結構分からなかったりするんだが

まず一個、これは誰でも即答できる
「インドは英語通じる」
公用語(のひとつ)が英語だし

あとは、「最近」というのから「IT系?」と連想できるかどうか
で、具体的にIT系のどういう業務なのか
かつ、メールとか通信じゃなく、通話なのがキモ

ここで、世界地図の知識問われる
本初子午線から見て、シリコンバレーは時差-8時間、インドは+5時間半
つまり、シリコンバレーとインドは13時間半の時差、ほぼ半日、昼夜逆転の関係
これは、従来のメルカトル図法だと気づきづらい
ただ、正距方位図法だとよく分かる
アメリカとインドは北極点を挟むかたちでほぼ一直線なので経度が反対、つまり時差半日
で、夜間通話が必要、かつ国を越えるような遠隔でも用が足りる業務は何か
つまり、トラブルサポートのコールセンター
インドは、アメリカIT産業において、コールセンター業務の国際拠点として重要な位置付けにある
まとめると、これはこういうの聞かれてる問題

系統地理→地図の読み方、特に正距方位図法の知識と子午線、時差の読み方
地誌学→インドの言語、産業の知識

見事に高校地理の範囲内で解答できるようになってる

ちなみに余談だが、これは大学以降の人文地理学だと現代都市におけるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の分析ってテーマ
インドがコールセンター業務誘致に積極的で、特にアメリカから立地条件の良さから大量の誘致に成功しているというズバリの論文が存在してて、人文地理学テーマの学生向けテキストでも定番ネタとして載ってる
大学の研究者やそういう業界にいる社会人なら常識だが、学術的知識も社会経験も薄い高校生だとなかなか分からない
それを、高校教科書範囲で類推させようという良問