2021年5月10日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国で数年前からコロナウイルスの兵器化に関する論文が発表されていたとする豪メディアの報道に、中国国営メディアが反論したと報じた。

記事は、豪紙オーストラリアン土曜版の8日付報道を引用。米国務省関係者が昨年5月に新型コロナウイルスの起源に関する調査を実施した際に、中国人民解放軍の科学者や兵器の専門家が2015年に著した論文を取得し、その中で重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスについて「遺伝子兵器の新時代到来を予感させる」「人為的に新たなヒト疾患ウイルスを作り、兵器化させることができる」などの表現を発見したと伝えた。

また、この論文の著者として名を連ねている18人には中国の公衆衛生や軍の幹部が含まれていたとしたほか、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)の追跡システムによれば、著者のうち10人は国防研究レベルが「非常にハイリスク」とされる西安空軍軍医大学関連の科学者、兵器専門家だったことが分かったと報じている。

そして、英下院外交委員会のトム・トゥーゲンハット委員長や豪議会情報・安全合同委員会のジェームズ・パターソン委員長がこの論文について、新型コロナウイルスの起源情報の透明度が低い中国に対する憂慮を引き起こすものだと評したことを紹介した。

その上で、中国政府系メディアの環球時報が「論文は解放軍内の機密文書ではなく、15年8月に出版、公開されている学術理論書に過ぎない」とし、あくまで軍事機密文書ではない学術理論書であることを強調したと伝えている。(翻訳・編集/川尻)

https://www.recordchina.co.jp/b876234-s25-c100-d0193.html
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