「クアッドは遠い話だ」

韓国外交部(外務省)傘下 国立外交院のキム・ジュンヒョン(金峻亨)院長は、今月21日(現地時間)に開かれる米韓首脳会談に関して、このように語った。

これまで内政に力を注いできたジョー・バイデン米大統領が 初の対面首脳会談に菅義偉首相を選び、つづいて ムン・ジェイン(文在寅)大統領を選んだ。

また米国の 国務・国防相の最初の巡訪国も日本と韓国で、さらに 日米韓の国家安保室長による対面会議も米ワシントンで行なわれた。

キム院長は去る18日、韓国メディア“EDaily”とのインタビューで「米国の外交安保政策の核心は、同盟国とともに中国をけん制することだ」とし「その中心には “日韓がいる”ということが反映されている点で、今回のバイデン大統領の首脳会談の相手が韓国だということは、予見されたものだった」と語った。

そのような意味で「一部で 加入しなければならないと主張されている “クアッド(Quad・日米豪印の4か国安保協議体)”より、“米韓同盟”が より米国の対外政策の核心に入っている」という説明である。

キム院長は「米国が加える圧力より、我々内部から の“クアッド加入”の圧力のほうが より大きいようだ」と指摘した。

「ホワイトハウス国家安保会議(NSC)のカート・キャンベルインド太平洋調整官が『ビスポーク(bespoke)』、いわゆるオーダーメイド型の戦略を言及していることから、『味方でなければ敵』というような過去の冷戦時代的な論理をもって出てくることはない」と指摘した。

また「米国も 生活用品の相当数を中国に依存している中、無条件的な中国排除戦略ではなく、選択的アプローチをしている」ということである。

このため 韓国に対しても「『今すぐクアッドに加入しなければ中国側だ』というようなアプローチは してこない」という説明である。

そのようなことから キム院長は「長期的には 米国側につくことになるだろうが、まだ選択の時間は残っている」とみている。

「米国としても、まだ 様々な変数があるだけに、今すぐ陣営を築くことを望んではいない」とし「米国が願っているのは、サムスンがテキサスにフラッシュメモリの工場を建てることだ」と語った。

これは「今すぐ韓国が反中戦線に加わることより、米国の半導体産業の時間を早めるための実質的な投資をしてくれることを期待している」という解釈である。


2021/05/20 11:48配信 Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp
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韓国外務省傘下 国立外交院の金峻亨 院長(画像提供:wowkorea)
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