韓国財界を代表する経済団体「全国経済人連合会」(全経連)のシンクタンク、韓国経済研究院は26日、日韓で実施した世論調査の結果を発表した。

「両政府が協力関係をつくるため努力するべきだ」と答えた人が韓国で78・0%、日本で64・7%だった一方、相手国に好感を持つ割合は双方ともに2割前後にとどまり、両政府の関係悪化を反映する形となった。

調査は4月2〜11日に行われ、日韓の1431人(日本717人、韓国714人)が回答した。

「協力するべき分野」として韓国人が挙げたのは「歴史問題の共同研究」(23・5%)、「通商・貿易」(21・7%)、「文化・観光の交流」(20・4%)。

日本人は「文化・観光の交流」(23・2%)、「通商・貿易」(21・0%)、「軍事・安保」(17・2%)の順で、関心分野が分かれた。

日本に好感を持つ韓国人は16・7%、韓国に好感を持つ日本人は20・2%だった。

米国で同盟関係を重視するバイデン政権が発足し、日韓関係改善を図る働きかけが強まるとみられるが、韓国の49・7%、日本の63・7%が「今後、米国の努力で両国関係は改善されないだろう」と答えた。

また同研究院は、元徴用工らへの賠償を日本企業に命じた韓国大法院(最高裁)の判決(2018年10月)が日韓貿易に与えた影響を分析した結果も発表した。

19〜20年の2年間の日韓の貿易額は17〜18年比で11・9%減で、7・6%減だった韓国の貿易総額の減少幅よりも大きかった。

この間の韓国の貿易額は対米国で6・3%増、対中国で4・7%減、対欧州連合(EU)で4・8%減と、対日貿易額の落ち込みの大きさは際立つ。

元徴用工問題やその後の日本政府による対韓輸出規制強化、韓国における日本製品の不買運動の影響が見て取れる。

同研究院のチュ・グァンホ経済政策室長は「昨年は新型コロナウイルスの影響があったとはいえ、日韓貿易の縮小幅は大きい。政治や外交の対立が経済の悪化につながっている」と指摘。

「両国政府は早期に関係改善に努力し、経済に及ぶ悪影響を遮断しなければならない」と訴えた。


2021年5月26日 15時27分
https://www.asahi.com/articles/ASP5V4S2DP5VUHBI00S.html