軍事アナリストの小川和久・静岡県立大学特任教授は毎日新聞政治プレミアに寄稿した。敵基地攻撃能力をめぐる日本の議論について「手段について個々の『木』を議論するものの、木を見て森を見ずの状態に陥っている」と指摘した。

 小川氏は「日本が先制攻撃すれば北朝鮮が報復に出るのは必至だ。そのとき、韓国や在日米軍基地は無傷ではいられない。日本が敵基地攻撃という『戦争の引き金』を引けば、第2次朝鮮戦争が勃発する可能性は極めて高くなる」と言う。

 「それを考えれば、米国が無条件で日本に『戦争の引き金』を持たせるとは考えられない」と指摘し、「日本には同盟国アメリカという存在があり、韓国も同じように米韓相互防衛条約で結ばれている。北朝鮮も中国、ロシアを後ろ盾としている。敵基地攻撃論は、その森全体を見渡して語られなければならない」と強調した。


毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c8b90bc2c5680d2f986b0df97dda00c50fd430a
小川和久氏=北山夏帆撮影
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