(台北中央社)李登輝(りとうき)元総統を記念した図書館が台湾大学徐州路キャンパス内の旧法学部図書館(台北市)に設置される予定であることが29日、分かった。李登輝基金会が同日、記者会見を開き、政府に支持を呼び掛けた。総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は30日までに、蔡英文(さいえいぶん)総統と総統府は記念図書館の設立を支持すると表明した。

李氏の次女で同基金会の董事長(会長)を務める李安妮(りあんじ)さんは記念図書館設立について、昨年の李氏の葬儀に関する会議の席上でメンバーからその重要性が指摘されたと言及。蔡総統から図書館設立を重視する姿勢が示されたほか、台湾大の管中閔(かんちゅうびん)学長からも「大学として全力で支持する」との回答を得た。

だが、国立大学である台湾大は公的機関であるため、財産の外部貸し出しの手続きには多くの決まりがある。台湾大の葛宇ィ(かつうねい)総務長は、設備の維持や文物の収蔵、その後の運営などには緻密な計画が必要で、政府の長期的な安定した支援が必要だと訴えた。

▽交流協会、図書室に「李登輝文庫」設置

日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会は30日、同協会台北事務所ライブラリーに「李登輝文庫」を設置したと発表した。李氏が生前に所蔵していた中国語と日本語の書籍約100冊が並べられている。書籍は李登輝基金会から提供された。

同協会はフェイスブックで「この本を手に取る多くの人々の道しるべとなり、これからも日本と台湾をつなぎ続けてくれることでしょう」と願った。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、書籍の貸し出しには事前予約が必要。同協会の公式サイトで申し込める。

(葉素萍、鍾佑貞/編集:名切千絵)

中央社フォーカス台湾 2021/07/30 19:53
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202107300009.aspx

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李登輝元総統=2011年5月撮影