日本の新聞が韓国・与党「共に民主党」が推進する「言論仲裁および被害救済等に関する法律」(言論仲裁法)改正案が言論統制につながりかねないとの懸念を相次いで提起した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が与党がこれを撤回するよう影響力を行使しなければならないとも主張した。

 毎日新聞は29日付の社説で「偽ニュースによる被害救済が目的だと(韓国の与党は)主張するが、言論統制につながる恐れがある」とし、「問題は故意や過失の有無を判断する基準が曖昧なことだ。それにも関わらず、メディア側に厳重な立証責任を負わせている」と指摘した。

 同紙は「来年3月の大統領選挙を控え、政権に批判的な大手メディアをけん制しようとする意図と読める」と分析した。

 同紙は韓国の軍事独裁時代に国家の言論統制を批判し、民主化を要求して戦ってきた人々が文在寅政府の中枢を占めているとし、「それにもかかわらず、現政権は自分たちに対する批判には寛容ではない」と批判した。

 毎日新聞は文大統領に対して「言論仲裁法改正案について沈黙を貫いていており、野党と言論の批判を受けている」とし、「人権弁護士出身である文大統領はこれまで言論の自由が重要だと繰り返し言ってきた。それなら改正案を撤回するよう与党に圧力をかけるべきだ」と注文した。

 右翼性向の産経新聞も同日、『言論統制法案 韓国はどこへ向かうのか』という見出しの社説で、言論仲裁法改正案について「報道の自由を侵害し、統治者も法に拘束されるという“法の支配”にも反する」と主張した。

 産経新聞もまた“故意や重過失”による虚偽・捏造報道の損害額の最大5倍賠償など改正案の内容に触れ、「基準が不透明で、政権による恣意的な運用が懸念される」と指摘した。

 これに先立ち、進歩性向の朝日新聞も25日、『韓国の法改正 言論圧迫は許されぬ』という見出しの社説で、「言論の自由にかかわる問題であるだけに、慎重な判断が求められる」とし、十分な議論を経なければならないと指摘した。


2021/08/29 17:09配信 Copyright(C) herald wowkorea.jp 84
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