大規模な金融事件に関与し実刑判決を受け、現在収監されている韓国の与党政治家A氏が同室の収容者に対しわいせつ行為に及んだ疑いで検察の捜査を受けていることが2日までに分かった。A氏は過去に「盧武鉉(ノ・ムヒョン)を愛する人々の会(ノサモ)」で活動し、昨年4月の総選挙に共に民主党の公認を受けて出馬したが落選した人物だ。

 本紙の取材によると、拘置所に収監されているA氏は同じ居室にいる収容者に数回にわたり、強制わいせつ行為に及んだとして、ソウル南部地検の捜査を受けているという。A氏は数千億ウォン台の金融詐欺事件の主犯である企業経営者から数千万ウォンの違法な政治資金を受け取ったとして起訴され、一部が有罪となり、今年2月に二審で懲役1年6月を言い渡された。

 ソウル南部地検は「A氏からわいせつ行為を受けた」とする収容者の主張を受け、A氏に対する捜査を進めているという。被害を訴えた収容者は拘置所と検察の聴取に対し、「居室でしばらく立ち上がっていたり、外を見たりしていると、A氏がそばに来てわいせつ行為をした」「最初の1−2回はいたずらかとも思い受け流したが、その後の2カ月間も2−3日に1回、わいせつ行為を繰り返した」と証言したという。

 この収容者はA氏が「盧武鉉大統領訪朝の際には自分も一緒に北朝鮮に行った」などと盧武鉉元大統領との親交を自慢していたため、A氏が親盧武鉉系の政治家だということを知ったとも語っているという。また、この収容者が今年6月、拘置所に強制わいせつ問題を正式な申し立てを行った後、A氏の弁護士が拘置所に来て、和解を求めたこともあったとされる。開かれたウリ党出身の弁護士は「A氏の先輩」だと自己紹介したという。

 A氏からわいせつ行為を受けたという収容者は、A氏以外にも組織暴力団出身の収容者から数回暴行を受けたと拘置所に訴えた。ソウル南部地検は今年7月、加害者を暴行罪で追起訴した。同地検は「A氏の強制わいせつ事件は現在捜査中だ」と説明した。

パク・グクヒ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2021/09/03 18:59
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