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現在の朝鮮民族が持つY染色体ハプログループの大まかな分類では、割合の多い順に、O2-M122(東アジア全域に多い)、O1b2-M176系統(日本列島琉球列島及び朝鮮半島に多い)、C2-M217(北アジアに多い)、である。

最も多い O2-M122 系統は朝鮮民族で約41%の割合で確認されており、中国人など東アジアで多く見られる。

次に多い O1b2-M176 系統は約31%の割合でそれに続く。サブクレード(細分岐)まで分類すると朝鮮民族と、日本人(大和民族、琉球民族)には特徴的な違いがあり、朝鮮民族では約22%:約9%の割合で確認されるものが、日本国内では約8%:約24%の割合で確認されており比率がほぼ逆転する。

カトリック医学大学のキム・ドンウック[要曖昧さ回避]教授と慶應義塾大学の岡本真一郎教授がHLA(ヒト白血球型抗原)を分析した結果、日本人と比較すると遺伝的な同質性が低いという結果が出ている[14]。大阪医科大学名誉教授松本秀雄は著書『日本人は何処から来たか―血液型遺伝子から解く』で、「朝鮮民族は強く漢民族などの影響(混血)を受けており、これは中国と朝鮮との間の、相互移民や侵入などによって、北方少数民族や漢民族との混血の機会が多く、これが民族の形成に影響した」と述べている[15]。HLA遺伝子による調査で朝鮮民族は満州族や中国東北部の漢民族と近い[16]。HLAハプロタイプは、満州や日本の日本海沿岸に特徴的なB44-DR13、B7-DR1がよく見られる[17][18][19][20]。

最近の研究では、朝鮮民族は悪魔の門古人骨に代表される新石器時代シベリア東部集団と、カンボジア鉄器時代人骨に関連する古代中国南部の集団の混合体として説明できることが示された[21]。