自民党もパッとしないが、弱小野党もあの体たらく。日本の“民主主義”に愛想を尽かす向きも少なくなかろうが、彼方を見よ。海を越えた隣国では、公約の叩き売りに罵倒合戦と、日本に生まれた幸運を実感する、史上最悪のお笑い大統領選が展開されている。

片や相手方を「頭が空っぽの空き缶」「獣」と罵り、片や「豚」「寄生虫」と蔑む……。

 あるいは、一方が「バカ」と嘲れば、他方は「コソ泥」と悪罵する……。

 これ、子どもの喧嘩ではない。

 歴とした独立国家、それも世界で第10位のGDPを誇る“先進国”のトップを決める選挙なのだ。

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李候補は前科多数

 確かに双方の不祥事発覚はにぎやかだ。
 まず与党・李候補には、かつての土地の不正開発疑惑が発覚。加えて妻にも、道の職員を私的に使役していた件が指摘された。
 対する尹候補についても、総長時代の職権乱用や、やはり妻の経歴詐称や整形疑惑、オカルト趣味が報じられ、公の場で頭を下げるなど、有権者に謝っては媚びるという、「リンゴ競争」が行われている、というのである。

 ちなみに、叩き上げだけあって、李候補は、飲酒運転、公務執行妨害などの前科多数。これで大統領の有力候補となるなど、日本では考えにくいが、

(略)

セコい人気取り合戦

「小確幸」とは作家・村上春樹氏がエッセイで使った言葉で、「ささやかだが確かな幸福」といった意味。李候補が掲げた小確幸公約をいくつかピックアップすると、

〈インプラント手術への保険適用〉
〈タトゥー施術の医療者以外への開放〉
〈兵士の携帯電話の通話料金を半額に〉

 また、

〈ゴルフ場の代金値下げ〉

 といった、なるほど幸せにはなるが、およそ一国のリーダーを目指す者が掲げるにしては首を傾げるほかない“小物”が列挙されているのだ。

(略)

これに尹陣営も対抗し、
「彼らも同じような細かい政策を発表しています。題して“胸キュン公約”。名前もあれですが、中身も同様で、“ペット公園の拡充”“大手企業の保養施設を中小企業の従業員にも開放”“小学校で朝ごはんも給食に”といった類の……」(同)

 究極のばら撒き&セコい人気取り合戦に終始しているのである。

低次元のスキャンダル合戦

「過去の大統領選に比べても、今回はひどい。低俗低次元のスキャンダル合戦や、誹謗中傷攻撃の応酬をしていますね」
 と呆れるのは、「コリア・レポート」編集長の辺真一氏。
 李候補が脛に傷を持つ身であることは先に述べたが、
「尹候補も“口を開けば失言”と言われるほど、舌禍が止まらない。“金のない者は賞味期限切れの食品を食べなければならない”と言ったこともあるくらいで、有権者には“より良い”ではなく“より悪くない”候補の選択肢しかないのです」

 龍谷大学の李相哲教授に聞いても、
「今回の大統領選は、双方ともネガティブ攻撃を応酬する、汚い選挙です。レベルの低い公約で、お互いを非難し合っている」

(略)

「また、尹候補は、父が日本の一橋大に留学経験があり、客員教授も務めるなど“親日派”と報道されることがありますが……」
 と前川氏が続ける。
「過去の言動などを見ていると、思想としての“親日”ではなく、保守政党に身を置く上での現実主義的な打算ゆえではないでしょうか。尹候補が当選しても、もし支持率が下がれば歴代政権同様、躊躇なく“反日”に走るのは間違いない」

全文はソースで
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03090556/?all=1&;page=1