>>940
長くなるが
ドイツとイタリアは削除済み

第2次世界大戦中に連合国の敵であった枢軸諸国(日独伊など)を対象に、安全保障面で特別の過渡的規定を盛り込んだ国連憲章第107条及び53条の別名。憲章には武力行使の禁止(第2条4項)や集団的武力行使権限の安保理への集中化(第42、46、48条など)などの規定があるが、第107条によれば、旧敵国に対する行動に関する限り、旧連合国はそれに拘束されない。つまり、「第2次大戦の結果としてとる行動」の範囲内(例えば再侵略の防止)である限り、旧敵国に対して自由な武力行使が可能である。同じく第53条は、地域的取極(とりきめ)(軍事同盟など)が強制行動(侵略の撃退など)を起こす際にも、本来ならば必要な安保理の許可が、旧敵国に対する措置である限りは不要とするもの。実際的な意味はあまりなく、こうした差別性は国連憲章の主権平等原則に反するという見方もある。日本がその削除を強く主張し、1995年に総会の憲章特別委員会及び第6委員会(法律問題)が削除を決議したのを受けて、同年12月、総会も削除決議を採択した。ただし、実際に削除されるには憲章の改正手続きが必要。
(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)