韓国経済が「大変なこと」になっていた

 韓国の尹錫悦大統領は6月1日の地方選挙の大勝利にも浮かれてはいなかった。

 物価統計が発表された6日、尹錫悦氏は「(韓国は)経済危機の台風圏に入っている」と危機感をあらわにした。尹大統領は、地方選挙勝利は論評せず、経済危機の克服に全力を傾ける意思を強調したわけだ。

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 文在寅が「破壊」した韓国経済

 文在寅政権は経済の実態を見ず、自画自賛で経済の悪化を見逃すとともに国民から自らの経済失政を隠蔽してきた。

 良質の雇用が失われても、高齢者に対する財政を活用した短時間のバイトを就業者に組み入れ、失業率の悪化を隠して雇用の実態を繕ってきた。

 コロナ前の2019年、実質経済成長率が1%台に落ち込みそうになると、年末の財政出動で経済成長率を2.0%まで引き上げた。韓国の経済成長率が1%台になるのはIMF危機やリーマンショックなど世界経済が困難であった時のみである。

 このように経済の実態を小手先でごまかしてきたため、有効な経済対策が打てるはずはない。その上、各種規制の導入で経済体質を社会主義的なものに変えてしまい、民間の投資意欲を失わせた。

 韓国経済の悲観的評価の背景には、これを支える輸出と投資が減少傾向にあるからである。6月1-10日の輸出は12.7%減少した。5月には輸出が増加していたが、それは中国が封鎖解除した影響であった。貿易収支も3月から5月まで連続で赤字となり、しかも赤字額は拡大している。

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その最大の要因が中国の経済減速であり、対中輸出が10%減少する場合は国内の経済成長率は0.56%下落するという。これも文政権の親中政策で韓国の対中貿易依存が高まっていることも背景にある。

 4月の産業活動動向によると、4月のサービス業生産(1.4%)はコロナにともなう規制緩和で小幅増加したが、鉱工業生産(-3.3%)が大幅に減り、全体産業生産(-00.7%)も減少した。特に減少幅が大きいのは設備投資(-7.5%)である。

 さらに、最近になって景気の足を引っ張っているのは物価上昇である。物価高はさらに高金利・ウォン安をもたらしている。

 当分は5%台の物価上昇率が続くだろうと見られている。原油と国際原材料価格が依然として不安定であり、新型コロナ防疫措置の解除で消費が増えていることも物価上昇に拍車をかけている。

 6、7月には6%台とする見方もある。物価高が続けば、金利は上がって経済成長率は落ちるだろう。中長期的には潜在成長率の低下基調が懸念される。

 韓国経済の成長をもたらす要因が見えない。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/3fcb5e72a7c70acd783ac25924c090d15e831a91?page=1