奈良市の近鉄大和西大寺駅前で7月8日、参院選の応援演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃され殺害された事件。(省略…)

事件をきっかけに「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)に社会の注目が集まっている。
同連合は11日に会見し、山上容疑者の母親が教会員だったと認めたうえで、「家庭が破綻していたことは把握していた」「過去、献金でトラブルがあったが、2009年にコンプライアンスを強化し、末端まで献金に対する姿勢を変えた」と説明した。
これに対し、多額の献金や高額な物品購入など、旧統一協会を巡る被害の救済活動などを行ってきた「全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)」が12日、都内で会見した。(省略…)

元2世信者の女性が語ったこと
この日の会見では、40歳代の2世信者という女性が、衝立の裏側で取材に応じた。女性は自らの体験として、次のように語った。

母親が統一教会に導かれ(入信し)、家庭のことが全て統一教会に変わりました。子どもに教えを強要し始めました。

私は夫婦関係が悪かった父と母の家庭環境で育ち、いつも父に泣かされている母を女性としてかわいそうだなと思って育ちました。そんな母が導かれた統一教会への教えを受け入れることは親孝行になると勘違いしました。

いわゆる「ビデオセンター」に通って洗脳が始まり、21歳の時に合同結婚式を受けることになりました。

教会からは「どんな国の人であっても断ってはいけない」「どんなに学歴がなくても断ってはいけない」「障害があったり、経済的に難しくても断ってはいけない」と言われ、神に誓わされました。

相手は2歳下の韓国人で、家も職も親もなく、中学校中退という人でした。要するに、住む場所がなかったので統一教会に転がり込んできた人と、永遠の伴侶としてマッチングされました。

断れなかったのは、祝福を受ける前に神に誓わされたからです。3年後に彼が日本に渡ってきて、一緒に生活をするようになりました。

「サタンがついているから…」
彼は気に入らないことがあると私を殴ってきたので、辛くて教会長などに相談しても「彼にサタンが取り付いているからだ」と言うだけでした。

当時、統一教会では「避妊してはいけない」と言われていたので、自然と子どもができました。しかし、彼の暴力はおさまらなかった。

離婚を禁止されていましたが、娘に暴力が波及すると思い母に相談しました。母は絶対に離婚はだめだと言いました。「家庭が壊れることはサタンが一番喜ぶことだから」という理由でした。

しかし、彼が日本での永住権欲しさに統一教会を利用したということがわかり、離婚を申し出ました。

離婚はできましたが、母はとても悲しみました。統一教会では「夫婦でなければ天国にいけない」といわれているからです。私も天国にいけないという思いを抱くようになりました。

そんな時、韓国の教会の人から再祝福(再婚)を受けないかと言われました。

韓国で再祝福を申請すると、140万ウォン(約14万円)かかりました。しかし、最初に日本で合同結婚式をした際は、140万円の献金を要求されました。

「日本人は大金を払わされても感謝しろ」という教えがあるのです。

娘を連れて再祝福を受けましたが、相手の韓国人にお金を使い込まれてしまい、自己破産させられました。

私は10年間、韓国で暮らしましたが、教祖の死をきっかけに洗脳がとけて2013年に子どもを連れて日本に帰りました。

「解決の方向に進んでほしい」
女性は「協会側の会見での献金などの発言内容は、事実と異なる」としたうえで、最後に安倍元首相の銃撃事件に関してこう述べた。

「犯人を擁護することは何一つない。ただ、人生を統一教会によって破綻させられた身としては、やったことは間違っていますが、それだけ統一教会は人生を破壊します。私は母とは縁を切り、姉妹はばらばらになりました」

「今、統一教会に関わってきた人たち、2世はどんなに苦しい思いを持っているか理解できます。正しいように報道され、放置されてきた問題が少しでも解決に進んでほしい」

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ソース “「家族はばらばらに…」旧統一教会を巡り、2世信者だった女性が語った「過去」とは?安倍元首相銃撃事件で”より抜粋
https://news.yahoo.co.jp/articles/5717c950b9320a25898570cd250ae9533d276755?page=2