なぜ日本は国際社会で舐められるのか
気に入らない相手に圧力行使も辞さない米中露、日本も必要な時は刀を抜くべき
(ファンドビルダー:韓国人コラムニスト)

韓国の不当なプロパガンダに対して、原則に基づいて是々非々を明らかに判定しなければならないはずの国際機関(国連教育科学文化機関<ユネスコ>、国際水路機関<IHO>など)はどんな態度を取っているだろうか。せいぜい「当事者同士で、円満に解決しろ」という無責任な対応だけである。

国際社会のこのような無責任な対応は、日本をけなしてさげすもうとする韓国を増長させるだけだ。軍艦島や佐渡鉱山など、世界遺産登録にまつわる紛争がいつまで続き、日本海/東海の表記問題がいつも現れるのは、このためだ。

日本の名誉を傷つけようと攻撃してくる韓国と、このような韓国の不純な意図がわからず、もてあそばれている国際機関がまず第一の問題点だ。

だが、日本にも問題点はある。今まで日本が見せた姿勢は、一言で言って「愚かなこと」だ。お金を多く出したのに、金を受け取ったユネスコから「名誉毀損」とも言える被害を受けているなどということは、愚かなこと以外の何物でもないはずだ。

日本、米国、ロシア、中国を世界4大強国と称することがある。4カ国はみな軍事、経済、金融、先端技術など、全分野あるいは特定分野で卓越した実力を備えている。その気になれば、いつでも特定国をターゲットに刀を抜き、影響力(圧力)を行使することができる。

ウクライナ戦争と関連して、最近、ロシアが見せた圧力行為(ヨーロッパ向けの天然ガス供給縮小)は、まさにそのいい例だ。有言実行のロシアは、6月16日からドイツへのガス容量を普段の40%まで縮小。7月27日には20%まで減らした。

米国の場合は、事実上、すべての国家が米国の影響力の下にあるという表現が似合うほど、軍事、経済、金融など多様な領域で、必要に応じて特定国家に積極的に圧力を加えている。

中国の場合も、自身の実力以上に圧力を加えようと欲張り、それが問題になるほどに積極的である。

それらに比べ、日本は十分な実力(金融、先端技術など)を有しているのに、圧力を加えることには非常に消極的だ。

米国、ロシア、中国が強力な影響力を行使して欲しいものを比較的簡単に勝ち取るのに対して、日本は他国との対立が発生しても、圧力を加えるよりは主に協議を通じて、円満な合意を導き出そうと努力する。このような日本の方法は、実に紳士的で理想的だ。だが、結果は悲惨である。

【日本に必要な韓国に対する圧力】
日本の方法に慣れた国際社会は米国、ロシア、中国は恐れても、日本のことは甘く見るという態度を取るようになった。

例えば、強力な同盟国の米国でさえ、日韓間の過去の歴史と関連した問題が発生するたびに、ほとんど一方的に韓国側の意見を聞き入れた。ドイツや米国などの海外で、慰安婦像関連の紛争が起こっても、日本の立場が反映されて銅像が撤去されたケースはほとんどない。

外国の地方自治体も、日本を甘く見ているということだ。

日本を甘く見る態度は、ユネスコなどの国際機関にまで広がっている。世界遺産登録や日本海/東海の表記問題を見ても分かるように、関連する国際機関が、韓国の一方的な主張に迎合する事態にまでなっているということだ。

頻繁に刀を抜いて振り回す(つまり圧力をかける)、米国、ロシア、中国の態度も問題だが、刀を鞘から抜かずに、主に協議と合意を通じて問題を解決しようとする日本も問題である。

刀を抜かなければケガをすることがないということは、確かな長所だ。米国、ロシア、中国は、相手に向かって刀を振り回すことで、当初の目的を達成するが、その過程において、相手から様々な傷を負わされる場合も多いのが現実である。

だが、傷は負うけれども、その代わり、米国、ロシア、中国を甘くみて攻撃してくる国はない。したがって、米国、ロシア、中国は、他国からの名誉毀損にあうことがほとんどない。ましてや、嘘や捏造による名誉毀損など、あるわけがない。

ひょっとして、今日、日本は、相手から受ける傷が恐ろしくて、決断を下すことができずに、刀を鞘に納め、大事に保管しているのかもしれない。協議と合意だけで、問題を解決しようと思うならば、日本は、今後も国際社会から冷遇されて、不当に名誉棄損される不利益を甘受しなければならないだろう。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71263