IMF「韓国の為替介入は限定的に実施されている…外貨準備高は適正」評価
・IMF、各国の「対外セクター報告書」を発表 
・昨年の韓国「適正な」経常収支黒字幅「GDPの5%」と推定

国際通貨基金(IMF)は、韓国の外国為替当局の外国為替市場への介入は市場の無秩序な変動性を事前に予防するとの目的で「限定的に実施されている」と評価した。また、昨年現在の韓国の「適正な」経常収支の黒字幅は国内総生産(GDP)の5%と推定した。

IMFは8日に発表した各国の「対外セクター報告書」で、「韓国銀行が公開した外国為替市場への介入データによれば、昨年下半期に市場で140億ドル(GDPの0.8%)を売り越したが、外国為替市場における過度なウォン-ドルレートの変動性を軽減するとの目的で実施された」と評価した。また、昨年末現在の韓国の外貨保有高(4631億ドル、GDPの25.6%)は、IMFが算出した適正水準の約99%に達するとし、外部からショックを受けた際に十分に対応できる規模だと述べた。

ドル-ウォン相場については、今年5月現在、韓国ウォンの実質実効為替レート(自国の物価および主要貿易国との貿易比率を考慮した通貨価値)は、昨年平均のウォン相場に比べて4.7%低いと評価した。また、韓国の経常収支規模を基準に見れば、5月現在のウォンの実質実効為替レートは適正水準に比べて-1.6%(低評価)から3.7%(高評価)の間にあり、その中間値では1%過大評価(価値切り上げ)されていると述べた。また、5月のウォン相場は、国内の変数に焦点を当てれば0.8%低評価されており、国家間の違いに焦点を当てたモデルでは4.2%の高評価状態だと推定した。

経常収支についてIMFは、今年の韓国の経常収支の黒字規模は原油高やサプライチェーンの亀裂などの影響により、GDPの2.8%に低下すると予想した。昨年の経常収支の黒字幅はGDPの4.9%(883億ドル)だった。IMFは「2021年の韓国の適正な経常収支の黒字幅は、GDPの5.0%と推定される」とし、中期的なファンダメンタルズおよび政策条件に符合する水準だと評価した。

チョ・ゲワン先任記者

ハンギョレ新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/29a6f444a26657f9eff67e2c1ab95243371cab34