英党首選、中国「孔子学院」閉鎖で議論 学問の自由に脅威、学費収入で依存も

【ロンドン=板東和正】ジョンソン英首相の後任を決める与党保守党の党首選で、決選投票に残ったスナク前財務相が中国政府による中国語普及の国外拠点「孔子学院」の閉鎖を表明し、同学院の存否をめぐる議論が活発化している。英国では、英中蜜月の「黄金時代」と呼ばれたキャメロン政権時に同学院が急増、世界最多の30拠点がある。「中国政府のプロパガンダ機関で、学問の自由を脅かす」と閉鎖に賛同する声が大学関係者から出る一方、学費収入で中国に依存する大学もあり、閉鎖に消極的な意見も存在する。

スナク氏は7月下旬、首相になれば、大学内などに設置された孔子学院の30拠点を全て閉鎖すると宣言した。スナク氏は支持率で対抗馬のトラス外相に差をつけられている上、トラス陣営から「中国に融和的」と批判されていることから、これに反論する狙いがあるようだ。

https://www.sankei.com/article/20220814-MXA66DPQXVPCJONHR7IV6UAE4U/