日中国交正常化記念集会に長崎・平戸市長が異議! 中国への配慮なら「矛盾だ」 
「ミサイル撃ってきたのに友好な状態にない」欠席や抗議声明呼びかけ

中国が4日、日本の排他的経済水域(EEZ)に弾道ミサイル5発を着弾させたことを受けて、長崎県平戸市の黒田成彦(なるひこ)市長が、9月に長崎市で開催される日中国交正常化50周年を記念する集会に異議を唱えた。今月19日の同県市長会議で出席や後援をしないことなどを呼びかけたほか、ツイッターでも発信している。黒田氏にその思いを聞いた。

「(出席や後援は)無理だろう。ミサイルを撃ってきたのに友好な状態にない」。黒田氏は22日、こう語った。

イベントは、9月19日に長崎市内で開催予定の「新時代の日中平和・友好関係をめざして」。民間の実行委員会主催で、識者の講演や中国の伝統芸能がプログラムに含まれており、長崎市なども後援に名を連ねる。

黒田氏によると、今月17日に主催者が平戸市を訪れ、後援や出席を依頼した。ただ、EEZへの弾道ミサイル着弾に中国側から説明がないことに怒りを感じていた黒田氏は翌18日、ツイッターで、「このイベントを支援したかったが、わが国のEEZ内にミサイルを打ち込むような相手とは友好など不可能と判断した」(原文ママ)と発信した。

19日の市長会議では①出席や後援をしないことの呼び掛け②市長会での抗議声明③ミサイルに関して中国の駐長崎総領事からコメントを求めること―の3点を提起したが、「会長預かり」として保留になったという。

長崎は核廃絶などで平和を強く訴えてきただけに、中国への配慮があるならば「矛盾だ」と黒田氏は批判する。

「多くの自治体の長は平和首長会議に属し、平和都市宣言も行っている。今こそ声を大きくすべきではないか。1972年の日中共同声明には『武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する』とあるが、ミサイルは声明を破棄する宣言に等しく、堂々と台湾とも交流する方向にかじを切らないといけない」と強調する。

平戸市は近松門左衛門の「国性爺(こくせんや)合戦」のモデルとして知られる明末期の政治家、鄭成功が生まれた地域で、少年期を過ごした中国・南安市と友好都市の関係だ。鄭成功はその後、台湾で王朝を樹立し、霊廟(れいびょう)も台南市にある。


黒田氏は「私は均等に南安市と台南市と交流を続けてきたが、県や中国総領事からクレームが来たことがある。24年に鄭成功生誕400周年も迎えることもあり、3都市でやっていければと思っている」と語った。

https://www.zakzak.co.jp/article/20220824-BFQ2DISHHJPV5IYBSAGKANWIYQ/
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