>>1
■日本人だというだけで舌打ちされることも

 外交部の、40代後半の中堅幹部の話。彼はソウルでの日本大使館主催レセプションの招待を受け、参加した。同じ招待を受けながら参加しなかった役所の同期が複数いたと後でわかったという。彼らに聞いたら「日本だろ。日本大使館だろ。誰が行くか?」と答えたという。これには彼自身が驚いたし、この話を伝え聞いた外交部OBたちは嘆いた。

 あるOBは私にこう言った。

 「他国の大使館の招待を受ければ、光栄この上ないとして先約をキャンセルしてでも行くものです。外交官どうし、そういうものです。関係がよい時もそうでなくても。我々はそう教わってきたし世界どの国でもそのはずです。しかも、日本ではないですか。『日本、誰が行くか』という考えの人は、外交部にいる資格がないと思います」

 次は、市井の小さなエピソードだ。ある程度韓国語のできる日本女性がソウルで韓国女性に道を聞かれ、教えた。「あれ、日本人?」と聞くのでそうだと答えると、チッと舌打ちされた。韓国語を何年も勉強し道を教えたあげく舌打ちされ、当人はショックを受けていた。他の国ではほぼありえないことだろう。もっとも日本で、韓国の方が不快な目にあうこともありえ、その点を心にとどめたいとも思う。

■「北朝鮮よりも日本のほうが脅威だ」と答えた政治家

 さて、私学の代表格、名門Y大学。数年前に国際政治の教授が指導する大学院生に発表させたところ、10チーム中9チームが「韓国の外交安保について、中国との連携を強化して日本に対抗すべき」との政策をよしとした。日韓強化と述べたのは1チームのみだった。日本で博士号を得たこの教授はショックを受けた。

 もう1つ、3年前に大学院生グループ(うち一人は日本人)が日韓関係を議論したところ、日本政府が植民地支配を反省しお詫びをしているという基本事実を、韓国の院生は一人を除き誰も知らなかった。