【ソウル=中川孝之】韓国の左派系野党「共に民主党」が28日、ソウルで党大会を開き、新たな党代表に李在明(イジェミョン)国会議員(57)を選んだ。李氏は3月の大統領選で尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に僅差で敗れた。2027年の次期大統領選再出馬を視野に、政権への攻勢を強める。

 党員投票などによる代表選で、李氏は得票率約78%と圧勝した。任期は2年。選出後の演説で李氏は、「2年後の総選挙、5年後の大統領選では、今日の党大会が勝利の進軍の始まりだったと記録されるだろう」と声を張り上げた。

 共に民主党は国会(定数300)で169議席を保有し、保守系与党「国民の力」の115議席を上回る。尹政権が目指す法人税率引き下げといった重要法案の国会通過阻止を狙うなど対立姿勢を強めそうだ。

 李氏は対日強硬派としても知られる。日韓関係の最大懸案である元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)問題解決を模索する尹政権への批判を強める可能性が高い。李氏を巡っては、複数の事案で検察や警察が捜査を続けている。だが今月26日の党規約改正で、党が「政治弾圧」とみなした不正・腐敗事件で党員が起訴された場合は、党の職務を停止する要件を緩和した。李氏の起訴を見越した措置とされている。

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