日本政府が安倍政権当時の2014~15年ごろ、政府認定拉致被害者の田中実さん=失踪当時(28)=と、拉致の可能性を排除できないとしている金田龍光さん=同(26)=の「一時帰国」に関する提案を北朝鮮から受けていたことが16日、分かった。提案に応じれば拉致問題の幕引きを狙う北朝鮮のペースにはまりかねないと警戒し、拒否していた。複数の交渉関係者が明らかにした。拉致問題解決を目指した小泉純一郎首相(当時)の初訪朝から、17日で20年となった。

 2人の安否に関して北朝鮮が「入国して妻子と共に暮らしている」と日本側に説明したことは判明しているが、一時帰国まで持ちかけていた実態が明らかになるのは初めて。日本政府は一連のやりとりを伏せている。公表すれば、被害者全員の帰国実現に全力を挙げるとした政府方針との整合性が取れなくなると判断したためとみられる。岸田文雄首相は、生存情報が伝えられた当時の外相。政権は難しい対応を迫られる。

 北朝鮮は02年9月に小泉氏が訪朝した後、5人を帰国させたが、横田めぐみさんら政府認定拉致被害者12人の安否に関し「8人死亡、4人未入国」と説明。裏付けとなる証拠に乏しく、説明も二転三転したため、日本側は再調査を求めた。

 田中さんは12人のうちの1人。金田さんは被害者に認定されていない。2人は神戸市出身で、同じラーメン店で働いていた。身寄りはほとんどないとされる。

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スポニチアネックス 2022年09月17日 05:30
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