「反独裁、反核酸」…ウィーチャットではなく北京のトイレに書き込み

「ゼロコロナ政策」固守…3連任、封鎖批判の封殺で CCTVのないトイレの壁に反政府スローガンがぎっしり

中国のトイレに「封鎖ではなく自由を」などの政府批判が書かれている=ツイッターより
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a8fc3e4e6af6cc89b35eba00c9ae5f6d2f67625/images/000

5年ごとに行われる中国最大の政治イベント、中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)が開催される中で、習近平国家主席と中国の防疫政策「ゼロコロナ」に反対するデモが中国各地で散発的に行われている。徹底した言論統制のせいで正確な状況把握は難しいが、監視カメラ(CCTV)のないトイレなどの場所にスプレーやペンで反対スローガンを書くというやり方でデモが行われていると見られる。

シンガポールメディア「端伝媒(Initium Media)」や「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」などの20日の報道によると、先日、北京映画資料館の男性トイレで、黒いスプレーで「反独裁、反核酸」と大きく書かれた落書きが発見された。反独裁は習主席の3連任反対を、反核酸は中国当局が3年近く実施しているゼロコロナ政策に対する反対を意味するものと見られる。習主席の3連任に対する不満とゼロコロナ政策に対する反対の意思を示したものだ。

中国当局は今年3月から6月にかけて2500万人が暮らす上海を事実上全面封鎖するなど、強力なコロナ封鎖政策を維持している。今回の第20回党大会を機としてコロナ政策が緩和されると期待されたが、習主席は党大会での業務報告でゼロコロナ政策を維持するとの考えを明らかにしている。

北京以外でも深セン、上海、広州、香港など、少なくとも7都市でトイレや建物の廊下などのCCTVがない場所で似たようなデモが発生しているという。中国はデモの自由が保障されておらず、特に共産党の最高指導部に対する反対意思の表示は徹底的に禁止されている。2018年には習主席の写真に黒い墨を撒いた女性が精神病院に強制入院させられている。

最近のデモは、13日に北京の四通橋で発生した反習近平デモがきっかけとなっている。清華大学や人民大学などが集まる地域を通る高架道路で、ある男性が「核酸(検査)ではなく飯をよこせ」、「領袖ではなく選挙権をよこせ」、「習近平を罷免しよう」などの内容が書かれた横断幕を広げ、中国当局を批判した。すぐに公安が出動して男性を逮捕し、横断幕も撤去した。しかし現場を撮った写真がソーシャルメディアなどを通して広がり、外国メディアに報道されたことでデモのあったことが広まった。

中国当局は今回のデモについての報道やソーシャルメディアを通じた拡散を徹底的に防いでいる。中国住民のほとんどはデモのあったことを知らない。中国外務省の毛寧報道官は14日の定例ブリーフィングでこのデモについて問われ、「関連状況を知らない」と述べた。

自分のソーシャルメディアに関連写真や書き込みをあげ、アカウントが削除される事例も少なくない。AFPは「北京のある高架道路で発生したデモに関するコンテンツをウィーチャットにあげた数百人のネチズンのアカウントが遮断され、その中の一部は永久閉鎖された」と伝えた。

北京/チェ・ヒョンジュン特派員

ハンギョレ新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a8fc3e4e6af6cc89b35eba00c9ae5f6d2f67625
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