先週の土曜日、ソウル中心街で久しぶりに左派と右派の大規模な集会・デモがあった。片や太極旗(国旗)と星条旗(米国旗)がはためくキリスト教系が中心の右派勢力で、片や赤旗系の労組や市民団体など左派勢力。一方は「文在寅(ムン・ジェイン)・李在明(イ・ジェミョン)逮捕!」を叫び、他方は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)弾劾・退陣!」を叫んでいた。

両者それぞれ都心の光化門広場から南大門の間の大通りを2万~3万人で埋め、至近距離で対峙(たいじ)する風景となった。衝突はなかったものの、5月に新しい尹錫悦政権がスタートしたばかりなのにもう左右対決の〝街頭政治〟の幕開けだ。野党陣営は先年、朴槿恵(パク・クネ)政権をデモで退陣に追い込んだ経験もあって早くも「再びロウソクデモを!」と叫んでいる。

集会を一周し左翼・野党陣営で目についたのが、中高生による〝尹錫悦退陣ロウソクデモ闘争〟の呼びかけ。制服姿の女子生徒がテントを張って募金と署名を訴えていた。テントをのぞくと「中高生が先頭に立ち革命政権を」などというスローガンまであった。

どうやら学校で先生たちが課外活動として生徒を扇動しているようなのだ。「ロウソク革命」と自画自賛していた文在寅前政権の遺産、いや後遺症かもしれないが、これには「さすが韓国はデモ大国!」とうならされた。(黒田勝弘「ソウルからヨボセヨ」)

10/29(土) 23:30配信
産経新聞
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