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タンソと呼ばれる韓国の竹笛を演奏する兎峴初等学校の児童=佐賀市の市立新栄小で2022年11月13日午後0時10分、西脇真一撮影

 佐賀市立新栄小学校は13日、市が姉妹都市提携している韓国南部・釜山市蓮堤(ヨンジェ)区にある兎峴(トヒョン)初等学校の5、6年生18人を迎え、交流会を開いた。関係悪化で正式な日韓首脳会談は約3年開催されなかったが、両校は新型コロナウイルス禍の2年間を除き、2002年から毎年交互に訪問。「違いを認め合えるように」「グローバルリーダーシップを備えた人に」――。関係者はそんな思いを抱き子供たちを温かく見守っている。【西脇真一】

 21回目の交流のため、兎峴側の児童や保護者ら36人は12日に来日。大人はホテルだが、子供は新栄小の児童宅に2泊し、14日午後に帰路に就いた。新栄側には校区韓国交流委員会があり、地域が主体となっているのが特徴だ。

 13日は各教室に分かれての文化紹介などの授業や交流会、新栄小創立50周年記念式典があった。

 「日本を満喫してください」。交流会は5年、中尾宗介さん(11)の歓迎の言葉でスタート。新栄側はクイズを出したりダンスや「よさこいソーラン節」を披露したりした。兎峴側は民族衣装を着て竹笛「タンソ」で民謡「アリラン」を演奏。ダンスも踊った。

 自宅でホームステイを受け入れた6年、野中蒼空(そら)さん(12)は「相手とジェスチャーなどで話ができるようになってきた。今度は韓国に行ってみたい」と言う。控室に兎峴の子を呼びに来た新栄小の児童が、兎峴の母親に抱きしめられる光景も見られた。

 この日は新栄小で「食育」の一つとして実施される「おにぎり弁当の日」。教室で皆と食べた6年、李(イ)スジンさん(12)は「びっくりしたが、おいしかった。学校は韓国と似ている点も多い。日本の漫画が好きだし、また来たい」と話した。

 李さんの母で学父母会会長の金熙珍(キムヒジン)さんは「子供同士、自動翻訳機能などを使って会話しているのを見て安心した。今後も交流を続けてほしい」と希望。朴賢美(パクヒョンミ)校長も「大半の人は日本が初めて。日本を体で感じることのできる貴重な機会で、民間交流は続けなくては」と語り「子供たちには、グローバルリーダーシップを発揮できる人になってほしい」と期待した。

 新栄小の中村尚志校長は「子供たちは交流に関わる大人の姿も見て学んでいる。こうした機会を通じ、互いの違いを尊重し、より良いものを作っていく資質が育まれれば」と話している。

11/15(火) 10:14配信
毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/a87a519cf533cdc7b784509f5eef8ec45776cc0e