(前略)

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▲日韓における主な懸案事項

 そうした中で行われた3年ぶりの日韓首脳会談。そもそも、なぜ今まで3年間も行われなかっただろうか。

「韓国が実効支配する島根県・竹島問題や、新潟市の『佐渡島金山』世界遺産登録への反対運動、慰安婦合意の破棄、元徴用工訴訟による現金化問題などの懸案が関係しています。過去、竹島には大統領、最近では警察のトップが上陸しました。そのほか、韓国軍による海上自衛隊機へのレーダー照射問題もあります。さらに、慰安婦合意の“ちゃぶ台返し”です。15年に『最終的かつ不可逆的に解決』したはずですが、一方的に韓国側が破棄をし、世界各地での慰安婦像の建設なども進めています」

(中略)

「今月初旬、訪韓した麻生副総裁が、尹大統領と会って『あいつはやる気だぞ』と日韓関係改善に向けた尹大統領の本気度に“お墨付き”を与えました。これにより、今回の首脳会談が実現したと、政府関係者は話しています」

 澤井記者によると、外交には、総理や外務大臣という“表ルート”と“裏ルート”があるという。

「韓国や中国など、表の外交関係がうまくいってないときには『議員外交』など、いわば裏ルートが重要になってきます。実は、麻生さんは日韓協力委員会の会長を2013年から務めています。ただ、どちらかといえば韓国に厳しい物言いをする政治家です。そういう人が、お墨付きを与えたことで『保守層の納得も得やすいだろう』という岸田総理の計算もあったと思います」

 麻生副総裁の立ち回りによって、実現した日韓首脳会談。ただ、この訪韓には、ちょっとした“裏話”があると澤井記者は話す。

「実は、麻生さんが訪韓した同じ日に、永田町で麻生さんと“犬猿の仲”と知られる、武田良太衆議院議員がソウルを訪問予定でした。武田衆議院議員は麻生さんと同じ福岡県出身で『日韓議員連盟』の幹事長を務めています。これにより、永田町はかなりざわつきました」

 「ハブとマングース」と表現されるほど、犬猿の仲だという麻生副総裁と武田衆議院議員。なぜ、同じタイミングで訪問することになったのか。

「2人は本当に目も合わせないような関係です。ソウル滞在中も、別行動で、尹大統領への表敬も、梨泰院の献花も別々に行いました。今回、3年ぶりの日韓首脳会談実現の成果はある程度、既定路線として見込まれていた中で『誰がその立役者となるのか』という政治的な争いもあり『麻生副総裁が横取りした形だ』と解説する人もいます」

 3つ目の元徴用工の訴訟問題では、何か進展があったのだろうか。

「今回の会談では『懸案の早期解決をはかることで改めて一致した』にとどまっていて、まだ韓国側から具体的な解決策は示されていません。ですが、日本企業に賠償させるために、企業の資産を差し押さえて、売却して現金化するための司法手続きが行われています。そうした『現金化』という事態だけは避けなければならない。これは、日韓両政府で一致しているんです。実際には、事務方を通してのやりとりは頻繁に行われていて、取材によると、いわゆる『肩代わり案』で最終調整されていることがわかっています」

 肩代わり案は、韓国の最高裁で敗訴した日本企業の賠償金を、韓国の財団が肩代わりして支払う案だという。

「日本としては実害を避ける形ですし、さらに、外務省幹部は『日本企業による財団への拠出も、謝罪も考えていない』としています。ただ、日本政府関係者は『肩代わりという表現も良くない』と話していて『あくまで韓国側で処理するということだ』と強調しています」

 日本側の実害はないように見える肩代わり案。何が日本にとって問題なのだろうか。

「『肩代わり案』は、日本の懐自体は痛まないのですが『賠償の責任を認めることが問題だ』という指摘があります。日本政府としては、1965年に韓国と国交を結ぶ際に『日韓請求権協定』で、合計5億ドルもの供与を行っていて、解決済みの立場です。なので、日本政府としては、その後に起こされた裁判自体を認めるべきでないと思っているのです。韓国政府が、この最高裁判決を覆すのは困難です」

(以下略)

(ABEMA/倍速ニュース)

11/18(金) 14:29配信
ABEMA TIMES
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