チョコレートは良い軍用食品です。 軽くて熱量が高いので普及しやすい。何より、疲れた時食べるチョコは最高の幸福感を与えてくれる。しかし、一番まずいチョコレートが必要なときもある。それは「救助のための非常識」である。」

【Twitter】実際に投稿されたツイート
https://imgur.com/a/lpkeOdX

韓国の海軍で電探兵として2年間服務し、現在は留学生として日本に来ているというスウビャムさん(@Foxtrot19_RADAR)。兵役時代に食べたという“世界一まずい”チョコレートについて紹介したツイートが話題となっています。

甘くて芳醇なカカオの香りが魅力のチョコレート。美味しくておやつにも適していますが、軽くて気軽に多くのエネルギーを摂取できるので、スポーツやアウトドアなどの場面でも重宝されます。

しかし、スウビャムさんによると、逆にまずいチョコレートの方が適している場面もあるといいます。それは「救助などの非常食」として用いる際です。

“世界一まずい”チョコレートとは?

「おいしいチョコレートはメンタルヘルスに良いが、人の自制心を崩す。いつ死ぬか分からない遭難状況でチョコレートを節約できる人が何人いるでしょうか」

まずいチョコレートが採用される理由として、このように語るスウビャムさん。

事実、1937年にアメリカ軍の依頼によって開発された「Dレーション」と呼ばれる非常用配給チョコレートは、当初「茹でたジャガイモよりもややましな程度の味」という要求で作られたそうです。味を悪くした理由は、普段から兵士たちが常食してしまい、必要時に不足する、という危険性を防ぐためといわれています。

一概にはいえないものの、レーションなど軍用に配給される食糧には、あえて美味しくなく作られているものも多いようです。以前にまいどなニュースでも、レーションを実際に食べてみた方の感想について紹介しました。

ちなみに、スウビャムさんによると、韓国海軍の非常用チョコレートの味はチョーク味とされているそうです。しかし、実際に食べてみたところ、スウビャムさん自身は何の味にも感じられず、知り合いの中には「おがくずの味」と表現した人もいたとか。いずれにせよ美味しいものではないようですね。

(中略)

スウビャムさんに聞きました。

――まずいチョコレートですが、どのような場面で見たり食べたりされたのですか?

スウビャムさん:韓国海軍では、新兵教育として船が沈没した時に備えた離艦、水泳、救助訓練が行われますが、その中で非常用チョコレートついても教えてもらいました。チョコレートなどの救難食糧は、沈没時に作動する非常用ボートの内部に入っていました。

――チョコレート以外の救難食糧もあるのですね。

スウビャムさん:服務中はチョコレート以外の戦闘食糧などを食べたりしました。戦闘食糧にも賞味期限があるため、賞味期限が切れる前に乗組員に配付されたりして。調理方法は紐を引いて熱を出して自動的に調理する方式で、味は韓国らしく辛いです。ご飯には少し粘り気があって、パウンドケーキは乾燥していて化学的な感じがしましたが、気になるほどではなく美味しく感じました。また、韓国では乾パンも普及しています。普通の乾パンだけではなく“ゴマ”や“野菜味”のものもあり、特別な日には乾パンを揚げて砂糖をかけてくれたりします。脂っこくてかなり甘いですが、疲労を回復させてくれる味でした。

(中略)

チョコレートに関する貴重な話を教えてくれたスウビャムさん。現在は、日本に留学しています。

「日本のドラマやアニメの影響は大きいですね。しかし、留学に関心を持つようになったのは、家族が経営している会社が日本の機械を使ったり日本に品物を輸出するのを見たからです」

日本に来たいと思ったきっかけについてこのように話すスウビャムさん。また、元々ミリタリー関連のものが好きだったこともあり、自衛隊の公開イベントにもよく参加していたとのこと。

これまでの人生で、日本から色々な影響を受け、それに感謝しているというスウビャムさん。現在は材料工学を勉強しているそうです。卒業後は日本の企業に研究員として就職し、韓国と日本をつなぐ架け橋になって恩返しがしたいと、夢を語ってくれました。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))
11/24(木) 20:30配信
まいどなニュース
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