2022年12月13日、中国メディア・澎湃新聞は、日本、中国、韓国による動力バッテリー市場競争を「三国殺」と形容して報じる記事を掲載した。

記事は、今年1?10月における世界の動力バッテリー取り付けランキングトップ10の内訳が中国企業6社、韓国企業3社、日本企業1社になったと紹介。中国勢では寧徳時代が前年同期比98.6%増の137.7GWhで1位となり、市場シェアも同4.1ポイント増の35.3%に達したほか、残りの5社であるBYD、中創新航、国軒高科、欣旺達、億緯リチウムもそれぞれ倍増以上の急成長を実現したと伝えた。

また、韓国企業では、寧徳時代が今後10年間は激烈な争いを繰り広げるであろう「真のライバル」と称してきたLGエナジーソリューションが伸び悩み、昨年1?10月ではほぼ同水準だった両社の実績が、今年1?10月にはLGエナジーソリューションの実績が寧徳時代の半分にとどまるほど大きな差が開いてしまったと指摘。残り2社のSK onとSDIはそれぞれ同83.2%、69%増と好調だったものの、いずれも倍増以上の成長を実現した中国企業に比べると勢いは弱く、韓国勢の世界市場シェア合計も前年同時期の31.7%から24.8%にまで低下したとしている。

さらに、唯一日本企業としてトップ10に入った老舗ブランドのパナソニックは前年同期比の成長率が最も低く、自社グループ内で単月20万台の電気自動車を生産したことで一気に飛躍したBYDに抜かれてトップ3から転落し4位となり、市場シェアも前年同時期の13.1%から7.9%にまで落ち込んだと紹介。10月単月の市場シェアは6.3%と寧徳時代の約6分の1に甘んじ、中国市場のシェアトップ10からは姿を消してしまったと伝えた。

記事は、かつてリチウムイオンバッテリーで栄華を誇ったパナソニックが現在、欧米市場の開拓と水素エネルギー技術開発に力を注いでいるとし、今年4月には新エネルギーバッテリーを含む成長分野に4000億円を投じるとともに、水素エネルギー分野にも2000億円を投資する計画だと紹介した。また、欧米市場開拓では、ノルウェー企業と合弁のバッテリー向上を建設するとともに、テスラのベルリン工場にバッテリーを供給する計画や、米テキサス州で40億ドル(約5400億円)を投資して米国最大級のバッテリー工場を建設する計画があるとし、28年には生産能力を現在の50GWhから3?4倍にまで高めることを目指していると報じた。(翻訳・編集/川尻)

Record China 2022年12月15日(木) 9時0分
https://www.recordchina.co.jp/b906041-s25-c20-d0193.html