12/16(金) 6:01配信 ダイヤモンド・オンライン

●中国EVメーカーのBYDが日本市場進出 価格と販売ネットワークで勝負

 中国の大手電気自動車(EV)メーカーのBYDの日本法人であるBYDオートジャパンは、2023年1月31日からBYDの世界戦略EV「ATTO 3(アットスリー)」を440万円(消費税込み)で発売することを発表した。BYDは、中国・深センに本拠を置くバッテリーメーカーとして創業した車載電池の世界大手だが、EVメーカーとしても中国でトップを狙うとともに世界戦略を急加速させ、日本乗用車市場にも来年から進出することを明らかにしていた。

 12月5日に発表会見したBYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は、「ミドルサイズSUVのBEV(バッテリーEV)アットスリーは税抜き400万円、税込み440万円と決めてロングレンジでもこの価格で勝負していきたい」と、国産・輸入車のミドルサイズSUVのライバルEVに対し安価な価格設定にしたことを強調。また、日本乗用車市場への参入に際して販売ネットワーク、品質管理、アフターサービス、サポートの重要性に鑑み、まずは23年1月下旬より全国22店舗の開業準備室をオープンさせ、25年度末までに100店舗を超える全国ネットワークを確立させることを表明した。

 BYDジャパンならびにBYDオートジャパンは、先行したEVバス事業で開拓した足場をベースに日本の乗用車市場に参入することを今年7月に表明しているが、今回の発表でその詳細が公表されたことになる。

 中国BYDは車載電池の世界大手として知られるが、バッテリーメーカーとして創業して培った技術力を強みとして、バッテリーからモーターやコントローラーなどの電動車のコアとなる技術を自社開発・製造している。

 中国では9年連続して電気自動車(EV・FCV・PHV)販売台数第1位を獲得しているほか、22年1~10月の世界電気自動車(同)販売台数でも約140万台に上り、テスラを抜いて世界1位になっている。中国市場だけでなく世界戦略でも急成長を遂げ、今や日本を含む世界36の国と地域で乗用車事業の積極策を進めている。生産体制も中国内4工場に加え、9月に初の海外EV生産工場をタイに建設することを発表した。タイでは出足好調で1カ月で約7000台を受注したという。

● 価格戦略で競合と差別化 独自開発した「ブレード電池」を搭載

 それでは、来年1月末から販売開始される日本市場でのBYDのEVの成否はどうなるか。

 まずは、BYDの新EVの詳細を見てみよう。

 来年1月末から発売されるのはBYDの世界戦略BEVのSUV「アットスリー」のワングレードのみとなる。注目された価格は税込み440万円の設定となった。

 これはライバルEVと比較される米テスラの「モデルY」(643万8000円~)、韓国ヒョンデの「アイオニック5」(479万円~)、独フォルクスワーゲン(VW)の「iD.4」(499万9000円~)や国産の日産「アリア」(539万円~)、スバルの「ソルテラ」(594万円~)より割安で、最大85万円のCEV(クリーンエネルギー車)補助金に各自治体の補助金を加えると、実質300万円余りで購入できることになる。

以下ソース
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9652d9bdf28ccf023e1cb5e4b119eec2372c8de