紅白歌合戦にTWICEなどK-POPアーティストが戻ってきた2022年。韓国のエンタメ業界を振り返ると──

韓国で対日関係を重視する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が誕生した2022年。新型コロナウイルスのパンデミックで制限されてきた両国間の往来も、夏からはビザなしで行き来できるようになり、エンターテイメント界でもK-POPアーティンストが日本での活動を再開。NHKの紅白歌合戦にはTWICEが3年ぶりに帰ってくるほか、日本人メンバーがいるIVE、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)の新人女性グループも出場する。

【動画】「逆走」でヒットしたK-POPやドラマとは
https://img-newsweekjapan.jp/stories/assets_c/2022/12/reuter_20221231_204418-thumb-720xauto-584524.jpg
https://youtu.be/BBdC1rl5sKY

こうしたなかで、K-POPの本場、韓国では今、どんな歌がヒットしているのだろう?<今、大ヒットしているのはアイドルではなく......>

ー中略ー

ところが、1位は女性アイドルでも男性アイドルでもなく、女性歌手ユンナの『Event Horizon』になっている。
ユンナは日本でもアニメ『BLEACH』のエンディングテーマになった『ほうき星』などをリリースして活動していた女性歌手。現在韓国で大ヒットしている『Event Horizon』は3月に発売されたアルバムに収録された曲で、リリースされた当初はまったく話題にならなかったものの、大学祭などのライブイベント、YouTubeなどのオンラインメディアでの露出によってジワジワと注目を集め始め、発売から半年経った秋口からオンランチャートを「逆走」して15年ぶりに1位を獲得する大ヒットにつながった。
2022年の韓国エンタメ業界はこのユンナのような「逆走」がトレンドになったという。韓国メディアBLOTERが報じた。

ー中略ー

メディアを横断した「逆走」現象も
さらに2022年は、一つのコンテンツがウェブ小説やウェブトゥーン、ドラマ、映画など、多様なメディアを横断する形で作品化され、「逆走」のサプライチェーンとして成功を収める事例も見られた。特に、NAVERウェブトゥーンやカカオ・エンターテインメントなどの大型ウェブトゥーン、ウェブ小説サービスで製作されたドラマは年間40本にも達し、コンテンツの版権契約や映像化が活発に行われ、メディア横断の「逆走」は2023年にはさらに増える見通しだ。

こうしたメディア横断型の「逆走」の最新かつ最大のヒット作が、つい先日最終回を迎えたJTBCのドラマ『財閥家の末息子』(主演=ソン・ジュンギ、イ・ソンミン)だ。原作のウェブ小説『財閥家の末息子』は、NAVERウェブトゥーンの子会社であるムンピアで2017年から2018年まで連載された完結から4年も経った作品。ところがドラマ化をきっかけに売上が急増。11月末時点で2カ月前の230倍の売上を記録しているという。ドラマ自体も最高視聴率26.94%を記録し、JTBCの歴代ドラマの中で最高視聴率2位という記録を打ち立てた。

日本でも『梨泰院クラス』はドラマだけでなく原作のウェブトゥーンも人気を集めているし、韓国のウェブ小説やエッセイなど読者層を拡大している。近い将来、韓国のエンタメコンテンツが日本でもメディア横断型の「逆走」ヒットを果たす日が来るかもしれない。

2022/12/31(土) 20:57配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/05c014d45e7fd8ec2cd0cf4d28ee58310b2ca76e