塩野義製薬の手代木功社長が読売新聞のインタビューに応じ、新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」の海外展開を急ぐ考えを強調した。承認申請の準備を進めている中国では、今春にも最大で年間約1億人分の生産体制を整える意向を示した。欧米では今夏をめどに承認申請する方針を明らかにした。

 中国での具体的な承認申請の時期については明言を避けた。現地では、原薬と製剤の工場をそれぞれ整備し、最大で年間約1億人分の生産能力を確保している。手代木氏は「最速で3~4月をめどに提供できそうだ」と述べ、早期の供給開始に自信を見せた。中国での生産が軌道に乗るまでは、日本の工場で生産した医薬品を輸出する予定だという。
 中国では昨年12月、「ゼロコロナ」政策を打ち切ったところ、各地で感染者が急激に増えている。現地では、すでに米製薬大手メルクやファイザーの新型コロナ飲み薬が服用できるが、手代木氏は「新たな変異株が出現するおそれもある。(ゾコーバを活用して)中国で一日も早く全体のウイルス量を減らしたい」と話した。

 ゾコーバを巡っては、今月3日、海外初となる韓国で、現地企業を通じて条件付き製造販売の承認を申請した。
1日1回という利便性にこだわった
 手代木功社長のインタビューでの主な発言は次の通り。

 ――コロナ禍になって間もなく3年となる。日本のコロナ対策を振り返り、成果と課題は。
 命や医療を守ることに集中し、医療関係者の活躍もあって世界の中でも優等生だ。(薬の迅速な実用化を後押しする)「緊急承認制度」も創設された。次のパンデミック(世界的流行)に備え、毎年一定の予算を投じるなど、今後も感染症対策を継続していけるかが問われている。

 ――昨年11月に緊急承認されたゾコーバの手応えは。
 1日1回という利便性や錠剤の大きさにもこだわった。服用すれば(周囲を感染させる)ウイルスの排出を抑え、患者も早く社会に復帰できる。(感染症法上の分類で)新型コロナを「2類相当」から「5類」に切り替え、社会の正常化を進める中で、薬は重要になってくる。児童用や予防用としても開発を進める。

 ――感染症分野は売り上げが流行に左右されやすく、撤退する企業が多い。これからも注力していくか。
 ワクチン、治療薬を全て手がけるのは国内には当社くらいしかない。次のパンデミックの時も、海外から(薬を)買えるとは限らない。国の安全保障の観点からも、何としても続けたい。

 ――今年で社長に就任して15年になり、コロナのワクチンと飲み薬にも一定のめどが付いた。後継者をどう考えるか。
 40歳代や50歳代前半の若手の候補をここ2、3年で作っていきたい。(創薬に時間を要する)製薬は息の長い産業で、社長をするなら、10~15年は務める方が良い。

1/6(金) 0:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/67eaa7d1e4d582cbdae91df0e23ed51a5d579ef1

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