北朝鮮の国会にあたる最高人民会議で、「非規範的な言語要素を排撃する」ためという「平壌文化語保護法」が採択されたと朝鮮中央通信が19日、報じた。北朝鮮では最近、ひそかに入手した韓国のドラマをみるなどして若者らに韓国風の言葉遣いが広まっているとされ、韓国文化の「排撃」を強めるとみられる。

 同通信によると、保護法は平壌で17~18日に開かれた最高人民会議で全会一致で採択された。「文化語」は北朝鮮の標準語を指す。保護法について、会議では「我々の言語生活の領域で非規範的な言語要素を排撃し、平壌文化語を保護して積極的に生かしていく」ことに関連するものだという言及があったという。

 保護法について、韓国の北朝鮮専門家からは「『韓流』を警戒し、住民統制を強める動きの一環だろう」「外部の思潮が人々の生活に流入していることへの危機感の表れ」といった見方が出ている。北朝鮮では2020年にも、韓国ドラマなどを北朝鮮内で広めた場合は最高で死刑となる「反動思想文化排撃法」を制定している。

 同通信によると、最高人民会議では今年の国の予算なども決めた。歳出のうち防衛費は前年と同水準の15・9%を占めるという。金正恩(キムジョンウン)総書記の出席は伝えられていない。(ソウル=稲田清英)

Yahoo!Japan/朝日新聞デジタル 1/19(木) 14:00配信
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