米国の安全保障担当高官がスリランカのラニル・ウィクラマシンハ大統領と面会し、“島国に囲まれたインド洋での中国の活動”に対する懸念が高まる中、海洋問題について協議したと、スリランカ大統領府は発表した──。スリランカの政治・経済・金融に関する情報を中心に取り扱う、スリランカ発ローカルメディア『EconomyNext』より翻訳・編集してお伝えする。

インドが足場を固めていた土地をかっさらい…
米国の国家安全保障会議南アジア担当上級ディレクターであるアイリーン・ラウバッハ少将は、ウィクラマシンハ大統領と会談し、「米国はスリランカのパートナーシップを重視しており、幅広いパートナーシップを通じて両国の関係をさらに強化したいと考えている」と述べたと、スリランカ大統領府は発表した。

「大統領はまた、麻薬取引の取り締まりに対する政府による取り組みの強化、その他海事に関する事柄についても協議した」(スリランカ大統領府)

ラウバッハ氏の訪問は、スリランカがちょうど「29億米ドルの国際通貨基金(IMF)融資を確保する」ために、債務再編するべくすべての債権者と合意するのに苦戦しているときのことだった。

中国はその「スリランカの主要債権者」の一つであり、現在、インドの影響力が強かったスリランカの北部や東部を含め、島国での足場を固めている──。

スリランカ 大統領への強いプレッシャー
ウィクラマシンハ政権は、経済危機の影響を草の根レベルで受け始めており、プレッシャーにさらされている。この危機を脱するために、世界の大国から何らかの後ろ盾を得たいと考えている。

米国とインドは、スリランカにおける中国の影響力の増大について長期にわたって懸念を示し、インド洋地域への脅威を挙げてきた。

ウィクラマシンハ政権が8月16日から22日まで中国のハイテク調査船「Yuan Wang 5」を南部のハンバントタ港に停泊させた後、両国はより高い外交レベルでスリランカ政府との関わりを強めている。

また、スリランカ最大都市・コロ??ンボは、中国の弾道ミサイル・衛星追跡船が寄港し、近隣へよく駐留しているインドの船と遭遇することを恐れ、北京に寄港の延期を要請した。しかしその後、それに反発するかたちで中国の弾道ミサイルと衛星追跡船は寄港を検討する意思を表明し、緊張状態が続いている。

EconomyNext 1/27(金) 9:01配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5ce1952a3b1d14842096e17aae9548b5ac9112b