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◆結婚、子育てを避ける若者たち
 韓国の昨年の合計特殊出生率が0.78となり、超少子化がさらに進んだ。雇用不安や住宅難などの経済的理由に加え、男性優位の家父長制的な家族や社会のあり方も、若者が結婚や子育てを避ける一因となっている。日本では昨年の出生数が80万人を割ったとみられ、中国も61年ぶりに人口減少に転じており、少子化は東アジアに共通する課題となっている。(ソウル・相坂穣)

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 放送作家の郭さんも「非婚主義者」だ。「韓国には旧正月などに夫の実家で、妻が料理をつくる慣習が残る。私の父も実家では偉そうにし、母は我慢を強いられた。私は、そんな結婚はしないと決めた」
 郭さんはインターネットの音声メディア「ポッドキャスト」で3年前から、非婚者向けの音声番組「非婚世」を配信し、聴取者は延べ2000万人に達する。...

◆不安定な雇用、激しい競争
 実際、韓国統計庁によると、2020年に30代の人口約662万人の42.5%が未婚で、15年より6ポイント以上も増えた。
 21年に未婚の理由を尋ねた調査では「資金不足」が30.1%を占め、「雇用が不安定」が10%台で続く。経済的な理由が上位に並び、格差社会で厳しい競争にさらされて結婚や子育てを選ばない若者の姿が浮かぶ。恋愛や性文化を研究する世宗大の裵貞媛ペジョンウォン教授は「賢い人ほど子どもを産まない。子どもが生まれても格差がひどく、入試や就職競争で苦労する姿を想像するからだ」と語る。
 韓国では2000年代半ばに盧武鉉ノムヒョン大統領が少子化対策に本腰を入れ始め、歴代政権が対策に累計280兆ウォン(28兆円)を投じた。尹錫悦ユンソンニョル政権もゼロ歳児への給付金を月30万ウォン(3万円)から来年までに100万ウォンに増やす方針だ。...