K-POPに映画、ドラマ、文学など、さまざまなジャンルで世界を席巻している韓国エンタメ。
日本の約半分の人口規模である韓国において、なぜ今日のように巨大な産業へと成長することができたのか。
前々回と前回の記事では、『K-POPバックステージパス』の著者であるMCの古家正亨氏に、日韓の仕事の仕方の違いや、
日本におけるK-POPの変遷、BTSの成功の要因などについて話を聞いた。

さらに、「海外への情報発信力」という、韓国にはあって日本に不足していることにも話は及んだが、今回はほかにも韓国から吸収できることについて触れる。

また、BTSのメンバーのV(ヴィ)が言及したことで話題となった詩集『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』を始め、
韓国の文学が、K-POPスター特有の言葉の力にどんな影響を与えているのか、MCという立場から古家氏の考えを語ってもらった。

■韓国のトップは日本と比べて若い

ー中略ー

 日本にも若手や女性の優秀な人材は、絶対にいるはずです。でも、日本はまだまだトップが前時代的な体質なので、
そういう人たちの登用がなかなか進まない。成功の前例はなかったとしても、才能やセンスのある人たちが、やりたいことを自由にできる、
そんな環境が整えば、日本の音楽シーンは世界的に飛躍していくと思います。

■RMさんの言葉には知性がある

 僕はMCの立場から、K-POPの人気の理由に気づくこともあります。それはスターが放つ言葉の奥深さです。

 たとえばBTSのリーダーのRM(アールエム)さんは、言葉の中に知性を感じます。MCパートで、とても粋なことを言うのです。
GOT7(ガットセブン。2014年に韓国で結成されたボーイズグループ)のジニョンさんにも、そういう知的な印象がありました。

 彼らの共通点として考えられるのは、本を読んでいることかもしれません。
RMさんは読書家として有名ですし、ジニョンさんも本をたくさん読んでいた記憶があります。

 韓国の詩人のリュ・シファさんが編纂した詩集『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』は、BTSのVさんがコンサートで引用したことで、
日本でも広く知られるようになったそうですね。
日本で詩集というと、あまり一般的に読まれるジャンルではないと思いますが、韓国では身近に親しまれていて、たくさん出版されています。

 それには、韓国の歴史的な背景も影響しているのでしょう。

 韓国は、第2次世界大戦後、長らく軍事政権の時代が続きました。市民生活は苦しいながらも、直接政府を批判することはできません。
そんななか、間接的に自分の思いを表現する手段として用いられたのが、詩だったのです。

以下全文ソースから

古家 正亨 :ラジオDJ、イベントMC
3/4(土) 9:31配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/9580274ff09c73f1933c696f4c41b280c4dc014b