太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国政府は、裁判で賠償を命じられた日本企業に代わって、韓国政府の傘下にある既存の財団が原告への支払いを行うとする解決策を発表しました。最大の懸案の解決を急ぐことで「戦後最悪」とも言われた日韓関係の改善を進めたい考えです。

最近の韓国政府の対応は

「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所が初めて日本企業に賠償を命じた2018年、日本政府は「判決は国際法違反だ」と強く反発しましたが、当時のムン・ジェイン(文在寅)政権は三権分立の原則から司法判断を尊重しなければならないという立場を一貫してとってきました。

「徴用」をめぐる問題を受けて、日韓関係は戦後最悪とも言われるまでに冷え込みましたが、去年就任したユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が、関係改善に意欲を示す中、韓国政府は「現金化」が行われる前に問題の解決を図りたいという姿勢を打ち出すようになります。

韓国政府は、問題の打開策について話し合う官民合同の協議会を設置し、4回にわたって開かれた会合で、有識者らがさまざまな案について議論を重ねたほか、最高裁に対して、「日本との外交協議を続けている」などとする意見書を提出しました。

そうした中、韓国外務省はことし1月、裁判で賠償を命じられた日本企業に代わって韓国政府の傘下にある既存の財団が原告への支払いを行う案を軸に検討していることを明らかにし、日韓両国の間で協議が続けられてきました。

この案に対して、原告側の間では、あくまで被告となった日本企業による賠償と謝罪が必要で、財団による肩代わりは認められないと反発する声がある一方、裁判の長期化などを理由に、政府案を受け入れて早期の問題解決を図りたいという声も出ていました。

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https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230306/k10013999491000.html