【ソウル=溝田拓士】韓国人元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟で、日本企業の資産を差し押さえて売却する「現金化」を止める手段として韓国政府が発案したのが、
第三者による債務弁済を定めた韓国民法の「第三者弁済」だ。

 韓国政府傘下の財団が第三者となって、2018年の大法院判決で確定した被告の日本企業の賠償金相当額を原告に支払うものだ。
韓国政府関係者は6日、複数の法律専門家に諮問した結果、「法的に何の問題もない」との結論に達したと記者団に説明した。

 大法院では、新日鉄住金(現・日本製鉄)と三菱重工業を相手取った原告がそれぞれ勝訴した。2社は賠償に応じておらず、
原告は2社の韓国内資産を差し押さえて売却する「現金化」手続きを進めている。最も先行する三菱重工業の件では、大法院で資産売却命令が確定すれば競売などの手続きに移る段階にきている。

 第三者弁済が成立すれば、原告に対する債務も消えて、資産現金化の懸念も解消できるとの判断だ。
原告が「最後まで受け取りを拒否した場合、(財団が裁判所に)供託することも法理的には可能」という。

 しかし、この解決策で現金化を完全に回避できるとは限らない。

 原告の支援団体は6日、ソウルで記者会見し、今回の解決策を「韓国政府が日本企業の司法的責任を免責させるものだ」と批判し、
今後も現金化に向けた司法手続きを続けると表明した。

 第三者弁済は、債務の性質や当事者の意思表示によって成立しない場合もあり、法解釈が分かれている。
原告には賠償を請求できる権利が残るという。裁判所への供託金をめぐって原告が無効を訴える司法手続きに踏み切る可能性も懸念される。

 韓国政府関係者は「解決策に反対する原告がいる可能性を予想し、多角的、法律的検討をした」と語り、
原告が最後まで受け取りを拒否して法廷闘争を続けた場合の対応についても議論を重ねたことを示唆した。ただ、その具体的な措置については明言を避けた。


 韓国政府は昨年7月、解決に向けた外交努力を説明する意見書を大法院に提出した。これによって今後も現金化を回避し続ける判断を司法府に期待しているとみられる。

 財団は日本企業に弁済分の返還を求める「求償権」を持つことになる。この韓国政府関係者は、現時点で日本側に行使することは「想定していない」と語った。
ただ、これも4年後に政権交代した場合に覆されるシナリオは否定できない。

2023/03/07 07:00
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230307-OYT1T50074/2/

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