韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は17日、慶応大で大学生向けに行った講演で日韓関係の発展のために
「皆さんが未来を考え、韓国の若者と積極的に意思疎通してほしい」と語りかけた。(ソウル支局 中川孝之)

「似た文化・情緒を共有」

 この行事は2日間の日本滞在で最後の公式日程となり、学生ら約200人が参加した。講演で尹氏は、
今回の来日が日韓関係の正常化につながるもので、来日すること自体に「大きな意味があった」と強調した。

 日韓関係の特徴について、「韓日は世界のどの国とも比べられないほど、似た文化と情緒を共有している」と指摘。
「それほど近い韓日が、自由や人権、法の支配という普遍的価値に基づく自由民主主義国家であるということは特別な意味がある」と語り、
両国が国際社会の繁栄のため、「共にリーダーシップを取らなければならない」と訴えた。

 元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策などを巡り、韓国では尹政権批判の声も強い。
尹氏は「皆さんも私も、より良い未来を作り出すためにもう少し勇気を出しましょう」と語り、日韓双方の歩み寄りがなお必要だとの思いをにじませた。

 学生との質疑応答は非公開で行われた。参加した学生によると、尹氏は日韓関係を友人関係になぞらえ、
「親しい友人と主張がぶつかり合ったとして、会わなければ友人関係が永遠に終わってしまう」と述べた。岸田首相との首脳会談で合意したシャトル外交復活の意義を強調したとみられる。

 「政治家であれ、経済人であれ、皆さんのような若者であれ、韓日関係を発展させるにはとにかく会わなければならない。韓国にいらっしゃい」と学生らに呼びかけたという。

3/18(土) 7:40配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/b95928f493f9d941b6e4c83b619031a62ed4943e