環太平洋経済連携協定(TPP)に参加する日本や豪州など11か国が英国の参加を認めることで近く合意することが、分かった。
31日のオンライン閣僚会合で最終確認する。今年7月にも参加国と英国が閣僚級の「TPP委員会」で協定に署名する。各国の国内手続きを経て、早ければ年内にも英国の加盟が実現する。

 TPPのスタート以来、初の新規加入となる。欧州の国・地域の参加も英国が初めてとなる。英国が加わると、TPP参加国の国内総生産(GDP)総額は世界全体の12%から15%に拡大する。
英国は2020年末の欧州連合(EU)離脱後、TPPへの加盟を申請した。日英間では、21年1月から2国間の経済連携協定(EPA)を結んでいる。

 TPPは、米国も参加して16年2月に12か国で署名したが、その後、米国が離脱。11か国の枠組みで18年12月に発効した。
新規に加入したい国・地域には原則、11か国が署名したルールに従うことを求めており、英国が慎重とされてきた国外企業による投資を巡る紛争解決ルールなどで一致点が見いだせるかどうかなどが焦点だった。

 TPPには英国のほか、中国や台湾、エクアドルなどが加盟申請している。

 環太平洋経済連携協定(TPP) 英語でTrans‐Pacific Partnership。関税率の撤廃・引き下げのほか、著作権やデジタル、投資など多岐にわたる分野のルールを定める。
参加国は日本、豪州、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ。

読売新聞 2023/03/29 20:20
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230329-OYT1T50237/