韓国野党・共に民主党の「福島原発汚染水放出阻止対応団」の議員5人が「何の根拠もない」「でたらめ」などの指摘にもかかわらず、6日に日本の福島県を抗議のために訪問する。福島原発周辺の汚染状況について確認し、東京電力を訪問して日本の国会議員らとの面会を通じて汚染処理水放流の問題点を伝えるというのだ。

4日には「(汚染処理水を)本格的に放流すれば、韓国国民の食の安全を保証できるか懸念される」との声明も発表した。しかし東京電力は対応団との面会を拒否しており、日本の国会議員らも彼らとの面会を嫌っているという。

福島汚染処理水の放流が本当に韓国に影響を及ぼすのであれば、抗議訪問どころか韓国政府が正式に対応すべき問題だ。しかしこれは事実と全く懸け離れている。

海洋放射能問題について韓国で最も精通しているのは韓国海洋科学技術院と韓国原子力研究院だが、この二つの機関は先月、共同でシミュレーションを行った結果を発表した。それによると、今福島汚染処理水を放流した場合、太平洋を1周回って韓国の近海に本格的に到達するのは4-5年後だ。

もちろんその際には当然希釈され、韓国の海域にある三重水素(トリチウム)は約10万分の1増えると予測されている。これは数値のチェックそのものに意味がないレベルであり、事実上健康には何の影響も及ぼさないということだ。

原子力の専門家はセシウムやストロンチウムなどこれ以外の放射性物質も同じ結果になるとしている。昨年は「韓国の原発から昨年放出されたトリチウムは福島汚染処理水の予想放流量の10倍」とすでに発表された。

福島は東海ではなく太平洋に面しているため、この海域の海流は米国のアラスカ、カリフォルニア、ハワイを経て循環してから韓国にやって来る。福島原発事故当時、流された家屋などの残骸が米国の西海岸やハワイなどで最初に発見されたことからこの点はすぐ理解できるだろう。

しかもこれらの残骸が韓国の近海で発見されたケースは1件もない。福島汚染処理水の放流に問題があるとすれば、海流の移動によって最初に被害を受ける国は米国だ。しかし米国がこれを問題視したという話は全く聞かない。

米国の研究機関は福島原発の爆発後に西海岸の海水を採取し、放射能に汚染されているか調べたが、人体に害を及ぼすレベルではなかった。太平洋の面積は1億6525万平方キロメートルで、東西の長さは約1万6000キロだ。地球全体の面積の3分の1を占める広さだ。

福島原発事故当時、何の対策もない状態で放射能汚染物質が海に流れ出したが、広大な太平洋で完全に希釈され、放射能による問題は一切起こらなかった。今後国際原子力機関(IAEA)は福島汚染処理水放流に関する見解を発表する予定で、韓国政府もこれに関する意見を伝えている。この結論が出ればそれに従えばよい。

共に民主党は韓国が福島産の水産物を輸入するかのように主張しているが、これも事実ではない。韓国政府は「輸入しない」と何度も繰り返し表明しているのに、誰がどうやって輸入するというのか。

狂牛病、FTA(自由貿易協定)、THAAD(高高度防衛ミサイル)電磁波、セウォル号潜水艦衝突、哨戒艦「天安」、水道民営化など、共に民主党はデマ政治の誘惑から今も抜け出すことができない。彼らもこれらのデマに根拠がないことを知らないはずがない。

政治的にデマに扇動される人間が多いため、デマも利用価値があると考えているのだ。少数政党であればそれもあり得るだろう。しかし国会を掌握している巨大政党がデマ政治を行うとなれば、それは次元が違う問題になる。

2023/04/06 10:31
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