日本経済がドイツ・韓国に完敗した理由、分岐点となる「90年代」に何を間違えた?

かつての韓国は日本の下請けとして部品を製造する国だったが、90年代以降、ITや半導体の分野で目覚ましい成長を遂げ、日本を凌駕する工業国となった。

 韓国の平均賃金が日本を抜いたことに対して、国内では懐疑的な見方をする人が依然として多いが、冷静に数字を見れば、韓国の賃金が日本を抜かしたことも驚くべきことではない。

 2010年以降の韓国の平均成長率(実質)は3%を突破しており、高成長が続いてきた。一連の高成長を支えているのがサムスン電子をはじめとするハイテク産業であることは説明するまでもない。

 日本と異なり、韓国は通貨高政策を採用しているので、ウォンは高く推移しており、輸出企業にとって著しく不利な環境にある。それにもかかわらず、韓国の輸出が好調なのは、ひとえに韓国製品の競争力が高いからである