4/8(土) 17:00配信夕刊フジ

韓国最大手のサムスン電子の2023年1~3月期連結決算(暫定集計)で、営業利益が前年同期比95・8%減の6000億ウォン(約600億円)となった。稼ぎ頭の半導体の落ち込みが目立っており、中国依存の重いツケが韓国経済全体に回っている。

営業利益はリーマン・ショック直後の09年以来、14年ぶりに1兆ウォンを下回った。聯合ニュースは半導体部門で4兆ウォン前後の赤字を出したと分析する。サムスンは半導体メモリーを減産すると発表した。元週刊東洋経済編集長の勝又壽良氏は「減産は市況の悪化を止める程度の効果だろう。秋ごろまでは厳しい状況が続きそうだ」と話す。

韓国の3月の輸出は前年同月比13・6%減だった。中国向けが33・4%減少と09年1月以来最大の落ち込みを記録。業種別では半導体が34・5%減となった。

半導体をめぐっては、米国が22年に対中輸出規制を強化し、日本も製造装置の規制で足並みをそろえた。中国への貿易依存度が高く、中国国内に半導体の生産拠点も抱える韓国は「針のむしろ」(中央日報)だという。

前出の勝又氏は「韓国メーカーが米国市場で投資や事業展開を続け、日本の製造装置メーカーの高い技術を使うには、中国市場をあきらめざるを得ないだろう。サムスンが300兆ウォン(約30兆円)を国内に投資すると発表したり、韓国政府が日本との関係改善を図っているのもその一環だ」と指摘した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3f58859af84a9bc8e97c52282d2da6c53cd840a1