「スシロー」今度は中国で問題発生

 世間を騒がせた「油さしペロペロ事件」に見舞われて2ヵ月。回転寿司チェーン「スシロー」が今度は中国でトラブルに巻き込まれている。

 「'21年の中国初出店からスシローに通っていますが、こんなことは初めてです」

 と話すのは、広州駐在の日本人男性だ。

 「日本の店舗のガラガラぶりがよく報道されますが、こっちは今も満席になるほどの人気です。
そんな折、唯一の予約方法だった、中国SNS『微信(ウィーチャット)』内のスシローのアプリが急に使えなくなったんです」

 当然、スシロー側も大慌てだろう。昨年、問題になった「おとり広告」や物価高による値上げ、そしてペロペロ事件など、このところ同社の国内事業は逆風ばかりが吹いている。
そこで活路を見出したのが海外、特に中国だ。2022年11月にも成都1号店をオープンするなど、中国に出店攻勢をかけていた。それだけに出端を挫かれた格好だ。

 実は今回のトラブル、関係者の間では当局によるスシローへの「嫌がらせ」と見る向きが強い。在上海飲食コンサルタントの陳浩宇氏はこう語る。

 「政府は基本的に飲食業界に外国企業が進出することを快く思っていません。
そのため、役人に賄賂を渡すこともせず、意に背いた動きを少しでもすれば、見せしめ的に一時的な業務停止処分に追い込まれてしまいます」

 陳氏によれば、今年3月、北京の吉野家店舗でゴキブリが見つかり、約127万円の罰金が科された事案も、当局による見せしめだと推察する。

 「吉野家は衛生面、スシローは情報管理の面で、追い込まれるを与えたのではないか。
予約を通じて得た顧客情報は、当局の審査なしで国外に持ち出すと処罰されますが、多くの日系企業はこれを忘れがちです。
スシローも予約情報管理に甘さがあり、一方的にアプリを停止させられたのでしょう」(陳氏)

 スシローの親会社、FOOD&LIFE COMPANIESの広報担当者は、週刊現代の取材に対して、「原因は調査中です」と回答した。

 ペロペロリスクの次はチャイナリスク、スシローの苦悩は続く。

 「週刊現代」2023年4月15・22日合併号より
4/10(月) 7:03配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/14e1bca127bd140b07a4e7c8bf46a1fcf44231c2